【東海】Deep Down (ページ40)

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青ルート１３ページ40

「はああ？」
「怖いってば！落ち着いて！」
「だって…はあ？女って…」

話が噛み合わないと思ったら。

どうやら店員さんは、私の友達を本気でただのイケメンだと捉えていたらしく。
その情報を受け取ったりょうくん共々、友達＝私の彼氏、という風に認識していたらしい。
そんなバカな。

…抱きついていたところを見られた私にも非があるのかもしれないけど。

「あーもうなんなんA。まじでむかつく」
「え…なんかごめん？」
「まあでも彼氏じゃなくてよかった。じゃなきゃ無理やりするとこだった」
「はい…？」

え、なにを？
不穏な発言の真意を聞く前に、頭の下に手のひらが差し込まれる。
りょうくんの顔が、近付く。

慌てて顔をそらそうとして、ふと、部屋の隅に置かれた紙袋が目に入る。

あのロゴは。
昨日りょうくんの車から降りてきた女の人が、腕から提げていたものだった。

わざと置いていったのか、忘れ物なのか。
どちらにせよ、彼女がここにいたことは事実で。

「りょうくんこそ、彼女いるくせに…！」

認めたくなかったけど。
流されたくもなくて。
絞りだした声はあまりにも情けなくて、鼻の奥がつんとする。

「…彼女？誰のこと？」
「なにそれ、多すぎて忘れちゃったの？」

とぼけるりょうくんに向かって嫌味を吐く。

「ほんとにわからん」
「昨日！女の人とデートしてたじゃん！そのまま家入っていくところも見たんだから！」
「昨日…？ああ、あれね？」

ヒートアップしていく私とは裏腹に、りょうくんが静かに笑みを深める。
なに、その謎の余裕は…

「楽しかったよ、ショッピング。妹、とのね」
「……い、もうと？」
「妹。家族なんだから家くらいあげるでしょ？」

ぴしりと固まる。
妹…？いやあ、そんな、まさか。
あ、だってほら！

「他にも女の人いるんでしょ？とか言われて、お前しかおらんって返してた！」
「…ん？なにそれ？」

りょうくんが顎に手を当てて考え込む。
かっこいい…じゃなくて。

「あー、もしかしてこれ？」

りょうくんが立ち上がって、例の紙袋へと手を伸ばす。
その隙に、私もがばっと起き上がる。

「これあいつに選んでもらったやつなんだけどさ」

紙袋を揺らしながら言う。

「女の子のセンスわからんから妹についてきてって言ったら、女友達多いんでしょとか冷やかされたからね。お前しか頼れる人おらんわって言ったの」

…えっと。

「そ、そういうアレね…」
「ついでに開けちゃって」

はい、と手渡される。