緊急発令！「助けてくれた人物」 ページ31
サニ、ワ
サニワヲ、
コロセ
バチバチバチッ！
『はあ、はあ⋯数が多すぎる⋯！このままじゃ“個性”が使えなくなる、ッ！』
パキパキパキパキパキ、
ガシャァァァァン！！
自分の体力の無さと“個性”の使い過ぎによって起こる右半身の痺れ。
それらに若干苛立ちながら自分なりに遡行軍にダメージを与えていると、遡行軍の大太刀が私に狙いを定め振りかぶった。
雷を落とし続けた右側は痺れにより感覚が無く言う事を聞かない。左側の水は遡行軍には効果が無く使い物にならない。
そんな絶望の中聞こえたのは、氷が形成された音とそれが砕けた音。
ポカンと口を開け呆けたのも束の間。
視界に入ったのは久しぶりに見る、少し、いやかなり苦手意識を持っている紅白頭の彼だった。
『と⋯どろき君⋯』
「“個性”使い過ぎたんだろ、大丈夫か？」
『あ⋯少しだけ、ね。ありがとう。』
なんとか頭を働かせて礼を述べると、彼は座り込んでいた私に背を向けて「ん、」としゃがみ込んだ。
「右側、動かねえんだろ。乗れ。」
有無を言わさない、少し威圧感を含んだ彼の台詞は私の幼い頃のトラウマを甦させるには充分で、身体が硬直してしまった。
すると何を勘違いしたのか、轟君は少し首を傾げた後に「あぁ、」と納得したように体制を変えた。
「わりぃ、無理だったか。少し我慢しろ。」
本当に何を勘違いしたのか。なんと彼はひょいと私を抱え上げた。所謂お姫様抱っこというやつだ。
『ま⋯っ、待ってよ轟君！私歩けるから！』
「歩けるわけねえだろ。片方の“個性”だけを使い過ぎた時の身体の辛さは俺も分かる。ましてや痺れなんて以ての外だろ。
それより、何でこんなになるまで“個性”使ったんだよ。他に動いてる奴らいるだろ。」
『この時代を守りたいから。
まだ彼ら⋯大切な人達に、この、
“個性”の時代の良い所を見せてない。それにはまず、主である私が動かなきゃダメなの。』
轟君は荒い呼吸を繰り返し、生存値がそれ程無いであろう先程の大太刀が倒れながらも「サニワヲ、コロセ」と呟いているのを一瞥して氷の塊でトドメをさした。それはパラパラと崩れ、風に吹かれる塵となって消えていった。
「A、変わったな。強くなったっつーか、雄英祭の頃より自信がついたように見える。」
『え、』
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ユリ(プロフ) - 面白いです。続き気になります。更新頑張ってください (2020年3月3日 12時) (
レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)
もへ(プロフ) - SHINOさん» コメありがとうございます！亀更新ですが今後もよろしくお願いします！ (2019年4月3日 6時) (レス) id: 3a81a59490 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO - 早く続きが見たいです！頑張ってください (2019年4月2日 23時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もへ | 作成日時：2018年12月10日 14時
