Secret×Secret【安室透/降谷零】 (ページ8)

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０８用意周到ページ8

一見普通の写真を弱みだと気付くなんてどこまで調べ上げたのやら…。

とりあえず、そこのカウンターに座ってる小さな探偵くんに尋問といこうじゃな…

「Aお姉さんどーしたの？さっきからずっと静かだけど…」

あ、出遅れた。

…私が動こうとした瞬間話しかけるって、わざと私に注目させたね。

先手必勝を仕掛けるなんて、この場で追求されるのは困るのか？

「えぇ！ちょっと～Aちゃん聞いてなかったの？安室さんAちゃんのこと…」

「違うのよ蘭。Aさんは照れてるのよ」

「あ！そういうことか！」

見当違いに話がすすんではしゃぐ女子高生二人。

最早収拾がつかない。

これじゃあ今日はもう小さな探偵くんに問い詰めるのは無理だろう。

『そういえば私、これから用事があるので帰りますね』

テーブルの上に代金を置いて立ち上がると

「これ、あなたにあげるわ」

哀ちゃんが私のバックにさっきの写真を入れる。

『あら、そんな易々と返してくれていいの？』

「いいわよ。その写真は焼き増ししてあるから」

ニヤッと笑いながらもう1枚同じ写真が彼女のポケットから出てきた。

随分と用意がいいようだ。

『しっかりしている子ねぇ』

それだけ言い残して店内を後にする。

もちろん小さな探偵くんと優秀な探偵くんの視線を感じながら。

バタンとドアが閉まってから歩道に出て周りの気配を確認する。

誰も付けて来てはないが…

『さて、どうしようかな』

さっきの写真につけられた発信機。

写真ごと捨ててしまうのはリスキーだしなぁ。

近くのコンビニのお手洗いで水にでも濡らすしかないかな…。

ため息混じりにスマホを取り出して近くのコンビニをマップで探す。

厄介なことになってきたなぁ…。

場所を確認してポケットにスマホを戻すと午後の静かな通りを歩き出した。