06女の敵は女 ページ6
「僕って黒染めでも似合いますか?」
「安室さんイケメンだからなんでも似合うと思いますよ」
誰かあの二人を止めてって思っても、止める人誰もいない。
みんなノリノリで黒染めの話してるし、私のタイプが黒髪の人になってるし。
私のタイプを誤解されてることに対してはもうどうでもいい。
安室さんが黒染めする?
やめてくれませんか?
あんなに綺麗な金色の髪を染めるなんてことしたら安室さんファン(JK)が泣くし、私の身も危険にさらされる。
だからもっと地毛を大切にするべきだよ。
でも今更、話題に加わる気力もないのでグラスに浮かぶ氷をストローでつついていると
「みなさん悪いんですが、僕はやっぱりこのままでいいです」
突如、場を盛り下げるようなことを言い出した彼。
さっきまでノリノリだったのにどうしたんだろう?
「え〜!安室さんのイメチェン見たかったのに〜」
園子ちゃんがつまんないの〜って手をひらひらふっていたら
「だって彼女、地毛の黒髪の方が好みみたいですし、それに…彼女にはありのままの僕を好きになってもらわなければ意味がないんです」
真っ直ぐな瞳に射られていた。
あー、うん普通ならコロッといってますね。
ドキッとしたフリしてもいいけど、安室さんに負けた気がしてやだな。
対抗心がふつふつと湧く中、案の定、若いお二人さんの園子ちゃんと蘭ちゃんはちょっと顔が赤い。
「あなた…あれでときめかないなんて本当に乙女なの?」
自然と体がビクッとする。
『…え!?哀ちゃん?なんでここに?」
横から彼女に声をかけられる。
いつから私の隣に居たのよ…。
心臓止まるかと思ったじゃない。
ていうか、君もときめいてないから私可笑しくないよ?
「なんでって…失礼ね。私がここにいちゃ悪いわけ?」
『いえ、そんなことないっ…すよ?』
「なにその微妙な答え方」
『その〜ね?疲れてるの。うん』
その途端、哀ちゃんがカタンとグラスをテーブルに置くと
「とぼけんじゃないわよ?」
ポケットからある写真をチラつかせる。
この子、怖い…。
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作者名:星香 | 作成日時:2019年5月8日 17時