5 ページ6
冬哉side
「秋篠宮ー、今日ってどういうあれになってるの?」
「あれ?」
あぁ、言葉が足りなかった。
「学校のこと。」
「えっと……欠席扱い。」
欠席扱いか。なら、いいや。
サボりとかだったら許さないところだったから。
「冬哉。俺のこと呼ぶ時、苗字呼びと名前呼びの時あるけど、なんでだ?」
え?
「俺もわかんねぇよ。表裏とかああいうやつなんじゃねぇの?」
「表裏……。」
確かに秋篠宮って呼ぶ時と春馬って呼ぶ時がある。
自分でもわからない。なんで、そう呼ぶのか。
「あの……冬哉のこと、調べさせてもらった。」
俺のこと……あれか。
「5歳の頃両親が離婚。そして6歳の時、両親共に交通事故で死亡。裕福な親戚に引き取られるが、ろくな扱いを受けなかった。小学校ではいじめにあっていた。中学校に入った時に一人暮らしを始める。中学校でもいじめを受ける。高等学校は中学校や小学校と遠く離れたところへ入学。」
あぁ、ほとんど合ってる。
「高等学校ではいい評判が多く、多くの人から尊敬されている。中学校や小学校の同級生はおらず、比較的幸福な生活を送っている。寮には入らず、一人暮らしをしている。その金銭面はほとんど親戚が負担している。」
まぁ、合格。
「大体は合ってるよ。大体は、な。引き取られたのは親戚じゃない。俺を買った奴だ。親戚中が俺のことを拒否した。だから売られた。それで買い取られた。表上は親戚だか、裏では別人だ。」
「マジで……。」
あぁ、暗くなった。
全部、俺のせいだ。
お母さんもお父さんも、俺のせいで死んだんだ。俺なんかと一緒にいたから。
やっぱり、俺のはダメな奴。誰からも必要とされなくて、誰からも見放されて。
それなら、心に鍵をかけてしまおう。誰にも気づかれないように、誰にも見つからないように。
あぁ、そうだ。そう、前に決めたじゃないか。
「冬哉、俺は……。冬哉のことが好き。冬哉は俺のこと、嫌いか?」
好き?
なにそれ。
「みんなが冬哉の敵になっても、俺だけは冬哉の味方になる。だから、心を閉じないで。」
俺には、味方なんていなかった。
ん?いなかった?
いや、いたじゃないか。
秋篠宮だって、________だって。
66人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏夜桜 - 夢華さん» 面白いんですか?ありがとうございます!更新頑張ります。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
夢華 - とっても面白いですね!更新楽しみにしてます!がんばって下さい! (2019年1月9日 18時) (レス) id: ceff9b5b24 (このIDを非表示/違反報告)
夏夜桜 - 更新頑張りますね!何かあったらコメント欄に行かせてもらいます。設定ありがとうございました。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 購入ありがとうございました。応援しています!更新頑張って下さい。なにがあればご連絡下さい。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏夜桜 | 作成日時:2019年1月8日 20時