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冬哉side
「あの、ちょっといいかな?」
この声っ!?
「えっと、どなたですか?」
「あ、冬哉の親です。」
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
「冬哉、ちょっと用事できたから早退にしてもらったの。それじゃあ冬哉を預からせてもらうわね。冬哉、帰るよ。」
「は、はい。」
橋波さんと鹿島さんは完全に俺の親だと思っているらしく笑顔で見送っている。
闇はこっちを心配そうに見ている。
あぁ、助けてって言えたらな。
俺は車に乗せられ、どこかへ連れて行かれた。
「早く降りろ。」
橋波さん、鹿島さん、闇とかがいないところだとこうだ。
ここ……。
「早く自分の部屋に行け。」
自分の部屋、か……。
俺はふらふら歩いて部屋に行った。
部屋の中はあの時のままだった。
壁や床には俺の血や殴ったり蹴ったりした傷跡、鎖に繋がれている足枷と手枷、汚れたベットと毛布、気味の悪い照明。
あの人は、東雲奈美さん。蓮夜にぃのお母さんだ。
奈美さんの旦那さんで蓮夜にぃのお父さん、東雲陸さんもきっといる。
「やーっと見つけたわ、冬哉。」
今更、なんで俺を探していたんだろう。
「ちょうどストレス溜まってるんだよなぁ。昔みたいに、よろしくな?」
はぁ……。
陸さんは黙っている俺に苛立ったのか殴ってきた。やっぱ、久しぶりで慣れない。
どうせ話してもうるさいって言うんだろうけど。
「久しぶりなんだから挨拶ぐらいしろよ、なぁ?」
陸さんは俺を何回も何回も殴ったり蹴ったりした。
別に痛いなんて思わないけど、疲れる。痛いなんて思うなって言われてたから痛みはそんな気にならないけど、久しぶりすぎて疲れる。
「陸さん、私もしていい?」
「お、いいぞ。」
マジで?奈美さんもするの?いや、もしかしてヒール履いてるからそれで?
思っていた通り、奈美さんのヒールで踏まれた。
いや、俺Mじゃないから。こんなのできもちいいとか思わないんだけど。
……まぁ、マシか。
「どうかしら?」
感想を求められても困るのだが。
気がつくと陸さんの手が俺の顔を上にあげる。
「お前、喋れんだろう?何か喋れよ。」
喋れよ?
「なんですか、陸さん、奈美さん。」
陸さんは笑って俺を蹴った。
「今日はこれくらいにしとくが、明日はどうしようか。」
そう言いながら俺に足枷と手枷をつける陸さん。
え、なにもされたくないんだけど。
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夏夜桜 - 夢華さん» 面白いんですか?ありがとうございます!更新頑張ります。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
夢華 - とっても面白いですね!更新楽しみにしてます!がんばって下さい! (2019年1月9日 18時) (レス) id: ceff9b5b24 (このIDを非表示/違反報告)
夏夜桜 - 更新頑張りますね!何かあったらコメント欄に行かせてもらいます。設定ありがとうございました。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 購入ありがとうございました。応援しています!更新頑張って下さい。なにがあればご連絡下さい。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夜桜 | 作成日時:2019年1月8日 20時