夏の魔法３

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緑side


空港で土産物をいっぱい買い込んで、
帰路に着く。


口約束か思たのに、

しげ、

・・・だい、やった。

呼び方、意識せんと、すぐに戻ってまうから、
心ん中でも練習中。


そう、だいが、今朝言うてた通り、
俺の部屋に直行で来てんねん。


突然来られても、
別に片付いてるねんけどさ。
　

一個だけ、問題が。


リビングの隅っこに置きっぱなしの段ボール。


返されへんままの、流星の私物。


だいが洗面所で手ぇ洗ってる間に、
クローゼットに隠そ。


こそこそ、運んでたのに。


「ともぉ、その段ボール、何なん？」


後ろから声かけられて、
めっちゃびびった。

手ぇ洗うん早過ぎ。


「え、あ、うん。
何でもない」


どもり過ぎや、俺。


「何なん、隠し事やな。
えっちなもんとか？」


壮大な勘違いされてる。


そら、そっち方面も、
付き合うって決まってから、
調べてみようとは思てたけど。


まだ５日やし、
そんな準備良うないわ。


「なっ、しげ、何言うてんねん。
んなわけないやん」


「とも、焦り過ぎやって。
さては、ビンゴやな？」


この誤解だけは解きたい。

だい、俺のこと、
めーっちゃ、えろいて思てるねんもん。

違うのに。

昨日はその、
生まれて初めて、
自分以外の、
それも、片想いしてた相手に触られたから。

刺激強過ぎてんもん。

ちょっとだけですぐ感じてもうて。

ほんま、
自分でもびっくりするぐらい、
何回でも、その・・・


だい、思てたよりずっと、
繊細で、その、扱い、上手くて。


やから仕方ないねん。


俺、普段はそんな、欲、強い方ちゃうと思うもん。

普通程度、何なら以下なはず。


誤解されてんの、嫌や。

恥ずかし過ぎるやん。


「ちゃうって。
流星の私物やねん。
処分して言われたけど、
なんとなく捨てられへんし・・・」


はっきり言うてもうたら。

だい、あからさま、無表情なった。


「俺が返したる」


「あかんよ。
流星、もう望くんと付き合うてると思うし。
返されても、今更、困るやろ」


「ともも、もう俺と付き合うてるやん。
それは処分するしかないやん」


「物に罪はないし」

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