第1話 青学ルーキー ページ2
キャーキャー!!
『はぁ…。』
今日も今日とてギャラリーがうるさい青学男子テニス部。
キャーキャーフジセンパーイー!!!
『不二先輩?どこだよ??』
どこを見ても不二先輩はいない。なぜなら不二先輩、実はまだ来てないからだ。
あんたらには不二先輩が見えてるのかそうか。あいにく私には見えん。
まだ部活始まって間もない、準備運動やらラリーやらする時間帯なのに、いつもと何かが違う。
パコンパコンとボールがラケットに当たると音がするはずなのだが、今日はバコン!!という音しか聞こえない。
レギュラーとレギュラーがやり合ってんのか。
また桃と海堂か?あいつらいい加減にしろよ…。
『あーあー、すんませんねーちょっとどいてー。』
仕方なく、、ギャラリーを素晴らしくスルーしてコートに足を踏み入れる。
『どうせまた…って…え”』
どうせまたアイツらだろう…と言いかけたのだが、桃の相手をしているのは海堂ではなかった。
『誰あのちっさい子…?』
桃の相手をしているのは身長は私より下だが、サーブやラリーを見ると人並み以上の強さがあるのは分かるような帽子をかぶった男子生徒。
しかも足を怪我しているとはいえレギュラーである桃を、珍しいツイストサーブで押している。
ツイストサーブは右手で体をひねって打つことによって強力な回転を掛け、コートからはね返った際、対戦相手の顔面目掛けて跳ね返るというなんとも面白いスピンサーブだ。
しかしかなりの技術が求められるため、打つ選手はあまり見かけない。
『まさかここであのツイストサーブが見られるとは…。』
その男子生徒が右手に持っていたラケットを左手に持ち替えたところで試合は終わった。
桃が何かを察知したのだろう。
『本気じゃなかったってことか…。とんでもないルーキーが現れたもんだ。』
さて、そろそろ大石先輩や手塚先輩からグラウンド100周とか言われそうなので止めておく。
『はいはーい。さっさと準備運動してラリーしてくださいよ〜。』
「「「「……ウッス」」」」
越前「誰。」
桃「あ?あいつは俺たちのマネージャーだ。」
越前「ふぅん」
そして案の定、あとから全てを見ていた手塚が来てグラウンド20周走らされるのだった。
『なんで私も走らなきゃ行けないわけ。私は選手じゃなくてマネージャーだっつうの。』
越前「俺まだ部活入ってないんすけど…。」
『あんたは選手だろうが。』
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作者名:黒薔薇 | 作成日時:2021年1月14日 1時