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五 葵 ページ7

「三条玲奈と申します。」


少女は最後に軽い自己紹介を済ませ、話を締めくくった。


「それで君が私にあそこまで興味を持っていたのは、私がその時の君の命の恩人に当たる人物だと、そう思ったからなんだ?」

「はい。ずっとお礼が言えてなかったので。ペンダントを見つけた時には目を疑いました。」

「悪いけど、人違いだよ。」

「え?」

「私は、君の探している人とは全くの別人。」

「でもそんな…」

「そもそもの話、このペンダントは元々私のものじゃないからさ。」


玲奈は失望したように顔を歪める。


「でも、このペンダントの元の持ち主はきっと君が探している人物に違いないと思う。そして、その人のことも私は良く知っている。」

「ほ、本当ですか!」

「ええ。その少女の名は『日向葵』。私と同い年の龍狩り。
去年に亡くなったけど。」

「え…」

「彼女の死亡原因は『東雲吹雪」というもう一人の人物に深く関係している。
そしてその少女は、たった今君の目の前に座ってるよ。」


玲奈は目を見開いた。
そして、今自分と静かに向き合って座っている少女が、淡々と話した話の内容を整理するのにしばらく時間をかけた。


「これではっきりしたでしょ。君の知りたいことは全部。
もう帰って。」

「貴方は…」

「まだ何か?」

「貴方も、日向さんに『助けられた』のですか?」

「…うん。そう。彼女からは多くのものをもらった。
そして今、私は葵に借りを返している。」

「もっと詳しく聞かせてください。日向さんのこと。
それから、東雲さん自身のことも。」

「君って本当にしつこいよね。」

その口調とは反対に
吹雪の心は、昔の懐かしい、優しい思い出に浸かっていた。


「日向葵は貴方によく似てる。」

六 東雲吹雪の過去→←四 三条玲奈の過去



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夏巻(プロフ) - ぬーん|´-`)vさん» コメントありがとうございます!そんなこと言って頂けて、とても嬉しいです!!ぬーんさんの期待にこたえられるようにこれからも頑張らせていただきます! (2020年7月29日 8時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん|´-`)v(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いです…!!文学青二才だなんて、全然そんな事ないです!視点の移り変わりもちゃんと分かりますし、文章もしっかりしていて凄いと思いました。更新楽しみにしてますので、作者さんのペースで頑張ってください! (2020年7月28日 22時) (レス) id: 866fa73fd5 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます!続きも頑張ります! (2020年6月29日 5時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 凄く面白かったです!続きが楽しみです! (2020年6月28日 20時) (レス) id: 81088dc977 (このIDを非表示/違反報告)
夏巻(プロフ) - uikisさん» わああ!応援ありがとうございます!是非とも頑張らせて頂きますね! (2020年6月27日 12時) (レス) id: 224dfaba1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏巻 | 作成日時:2020年6月21日 16時

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