# 6 ページ6
.
今日も遅くまで残業をしていた。
喉が渇いたので自動販売機に向かった。
すると、自動販売機の前のベンチにちょこんと座っているひまを見つけた。
「こんなところでなにしてんの?」
ひま「べつに…」
あからさまになにかある感じで、なんだか少し拗ねている様子。
「なんかあった?」
いつもの様にコーヒーのボタンを押して缶を取り出してひまの隣に座った。
顔に【私不機嫌です】って書いてあるような顔をしている。
ひま「今日、ほんとは柾哉とご飯食べに行く予定だったの」
「おぉそーなんだ」
ひま「でもいきなり断られちゃって」
「へぇーそれはやだね」
ひま「…実はね、柾哉には彼女いるの」
「え?」
ひま「私は浮気相手(笑)」
そういって弱い笑顔をするひま。
まさかひまが浮気相手なんてすると思っていなくて、 唖然としてしまった。
ひま「馬鹿だよね…わかってる」
「…うん、バカ」
ひま「京介は浮気なんて言葉聞きたくないよね」
「……うん」
ひま「でも、好きなの。」
「……」
ひま「好きだから隣にいたいの」
と、ひまは言うけどひまの顔は苦しそうなのには変わりなかった。
浮気なんて俺は大嫌いだ。
なんせ自分がされた側だ。した側の気持ちなんて考えたくもない。
だけど、この苦しそうなひまの顔を見ると助けてあげたいと思ってしまう自分がいた。
「ひまはそれで幸せなの?」
ひま「……幸せ、だよ」
「ほんとに?」
ひま「…うん」
幸せと口では言うけどやっぱり顔をみるとそうには見えない。
あの柾哉って人はひまを苦しめてるのには違いない。
なぜか自分の頭から怒りが湧いた。
なんで自分が怒ってるのかもわからない。
だけど、
ひまが傷つけられるのだけは嫌なんだ。
大夢「それってさ、好きってことじゃないの?」
幼馴染の大夢に相談すると、そう言われた。
「……ば、ばかなこと言ってんじゃねーよ」
大夢「その動揺がもうなによりもの証拠だよ」
「俺がひまを好き…いや、ありえない」
大夢「なんで否定するの!」
「いやだって、」
大夢「そんなこと言ってる間にとられちゃうかもよ?」
「…」
大夢「京介、ちゃんと自分の気持ちに素直にならなきゃ後悔するよ」
「ん…」
.
286人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東雲 | 作成日時:2021年7月25日 17時