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それから1週間が経った。
「プレゼント渡せたの?」
ひまとランチに来ていた時、ずっと気になっていたことを聞いてみた。
ひま「それが、あれから会えてなくて(笑)」
「なんで?」
ひま「……顔、見たくないから」
ひまがそんなこと言うなんて滅多にないから意外で、俺の心の中ではガッツポーズをした。
すごい最低だけど。
ひま「けどちゃんと渡さなきゃだよね」
「うん」
ひま「それにもう前向かなきゃ」
突然そう言ったひまに俺は驚きが隠せなかった。
ひまは前に進もうとしている=柾哉さんとの関係を終わりにしようか悩んでいる。
「いいの?」
ひま「…うん」
頷くけど、離れたくないって顔をしている。
「無理して終わらせなくてもいいんじゃない?」
ひま「え?」
「好きだから一緒にいたいってそう言いきってたひまは俺はかっこいいと思ったけどね」
たしかに妬いていた。
だけど好きだから一緒にいたいというひまをかっこいいと思ったことは本当だった。
好きな人にまだそいつを好きでいろと言っているようなものだけど…
俺が幸せにしたいとは思うけど
その相手が柾哉さんでもひまが幸せならいいと思っている。
「ひまが幸せになれる方を選びなよ」
できればその選択に俺がいればな、なんて思ってしまった。
ひま「うん、ありがとう」
「うん」
ひま「京介はなんでそんなに優しいの?」
「さぁね(笑)」
そんなの、好きだからに決まってるでしょ。
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作者名:東雲 | 作成日時:2021年7月25日 17時