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ひま「ありがとね」
「うん(笑)」
ひまとショッピングモールにやって来た。
いろんな雑貨屋さんを見て周り、ひまの顔はわくわくしていた。
ひま「喜んでくれるかな」
買ったマグカップを大事そうに抱きしめるひま。
その姿は誰が見ても可愛いと感じるだろう。
「大丈夫だよ、あんなに必死になって選んだんだから」
ひま「うん！」
「よし、帰るか」
ひま「はーい」
駐車場に行くとひまが足を止めた。
もしかして、と嫌な予感がして前を向くとまた柾哉さんと彼女さんがいた。
柾哉さんは彼女さんに高そうなキラキラしているネックレスをあげていた。
何も知らない見知らぬ人からみたらあのふたりは今、とても幸せそうだ。
だけど、
俺の隣にいる女の子は今にも泣きそうな顔をしていた。
「ねぇ、どうしてそんなに柾哉さんのことが好きなの？」
ひま「……好きだから。」
「答えになってないんだけど」
イラついているから口調が悪くなってしまった。
けど、このイライラを止めることができなくて、
「もうさひまのそんな顔見たくないんだけど」
無意識のうちにひまにそう言ってしまった。
ひま「え？」
「俺ならそんな顔させないよ。」
そう言って数秒後、我に返ると照れくさくなってしまった。
自分は今何を言ったんだと頭が追いつかなくて、
「いや、えっと……そのっ」
ひとりで焦っていると
ひま「ふふっ、京介。かわいいね」
そう柔らかく笑った。
キラキラした眩しい笑顔も可愛いけどふわふわしているこの笑顔もとってもかわいかった。
「か、帰るよ」
ひま「はーい(笑)」
さっきの一言でひまは俺が想いを寄せていることに気づいたのかわからなかったけど、
その後も平然と俺に話しかけてきたからきっときづかなかっただろう。
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作者名：東雲 | 作成日時：2021年7月25日 17時
