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「もう遅いし、家まで送るよ」
ゲームもいろいろ出来て、もうそろそろお別れの時間だと思った。
この時間に女の子をひとりで歩かせるのはいけないと思い、俺はひまの家まで着いて行った。
ひま「今日はほんっとうに、ありがとうね」
「うん、楽しかった」
ひま「うん!私も楽しかった!」
「風邪ひくなよ」
ひま「わかってる〜(笑)」
ひまの家のマンションまで着くと、そこには
あの男がいた。
柾哉「…遅くない?」
ひま「なんでいるの」
「…」
柾哉「なに付き合ってるの?」
ひま「違う」
柾哉「藤牧さん、こんな時間に女の子を帰すのはよくないんじゃないかな?」
「だったら、ひまのこと泣かせないで貰えます?」
柾哉「っ…」
「あなたはひまの彼氏でもなんでもないですよね?」
ひま「京介?」
「ひまのことを利用しているあなたにとやかく言われたくないんですけど」
俺がそう反発すると柾哉さんは目を泳がせた。
どこまで好き放題にひまを利用するのだろうか…
そもそもさっきまで彼女といたのに、
ここに来る意味はなんなんだよ。
「彼女さんとはもうバイバイしたんですか」
柾哉「…なんでそれ」
「俺、意外とひまの理解者なんで」
柾哉「……っ」
「何も知らないあなたに俺は負ける気しませんけどね」
これ以上言うのはやめとこう。
そう思って、ひまの前に行って、
「じゃあまた明日ね」
ひま「う、うん。ばいばい!」
そう言いながら手を振る彼女を見て微笑んで、柾哉さんのことは気にせずに俺は背中を向けた。
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作者名:東雲 | 作成日時:2021年7月25日 17時