# 12 ページ12
.
その日の帰りの夜も月はあがっていた。
ひま「あぁ〜楽しかったなぁ」
「そうだね」
ひま「イルカショーの時の京介の顔がすんごく面白かった(笑)」
「やめろ(笑)」
最後は楽しそうにしているひまをみて安心した。
ひま「また明日からも仕事頑張ろうね!」
その笑顔があればなんでも頑張れるよ。と心の中で呟いたけど、それを口にすることはせずに
「だな」
と、言った。
今日はもうひまの辛い顔を見なくて済む。
そう思っていたのに、
またアイツはひまを泣かせるんだ。
ひま「…っ」
とある夜の公園で、
とある美男美女のカップルはキスをしていた。
それは確かにさっきこの目で見た恋人だった。
ひまは次第に目に涙を浮かべた。
ひま「ごめっ…今日はありがとね」
そんな顔で帰って欲しくなかった。
さっきまでの楽しそうだった顔でたくさんの楽しい思い出を思い出しながら帰って欲しかったのに。
だから、俺は
「待って」
彼女の腕を引っ張って、
「そんな顔で帰らせない」
そう言って腕を引っ張りながら歩いた。
.
286人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:東雲 | 作成日時:2021年7月25日 17時