阿笠くんは・・・３

Episode110 ページ10

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夏休みは冬休みと変わらず、降谷、諸伏、そして時々兄さんというメンバーでほぼ毎日遊んでいた
もちろん休みというのはいくら学生、児童の間であっても無限ではない
社会に出てからも今も、期間は違えど有限であるということに変わりはない

つまり終わりはやってくるのだ



「A…なんで最終日まで貯めとくんだよ…」

「休んでる時間ないよ！ほら手動かして！」



夏休み開始早々に終わらせた二人とは違い、常に授業の意欲・関心・態度が△の男
一ページも終わらせず提出する気で何も手につけていなかったがそれが兄さんに見つかり二人にバラされた
兄さんめ……俺が成人済みだって知ってるくせに…
この程度しなくてもわかるんだからしなくていいのに……

課題はちゃんとやるんだよと言い残し兄さんは去った
彼も高校生だ友人との関係もありいつも俺の世話をしているわけじゃない
遊びに行ったのだろう、夏休み最終日だしな

俺はと言えば真面目二人に捕まって絶賛勉強中だ
小学二年生の問題を解かされているこっちの身になれ
普段からわかるからって鉛筆すら持たないし
そもそも教室に行かない男だぞ

すでに手が痛い
疲れた、やめたい



「ほらっ！算数なんて簡単でしょ！」



簡単だよわかってるよ答えは
普段何も持たないんだぞ鉛筆は重くて持てないなんてことはないが握力が死にそうだ
そんなことを言えば運動量がさらに増やされそうだな
ただでさえ毎日外に出て遊んでるのに
俺は直ぐ疲れるから木陰に座っちゃうけど



「Aって…授業出てない割に勉強得意だよね…」



得意というかまあ小二の問題くらい成人男性が解けないと恥ずかしいだろ
とは言えない
俺は一応子供だからな
それにしても……あんま疑われないもんだな
コナンくんですら君は何者？って疑われるのに
高校二年生でも疑われるのに俺は疑われないのか
……哀しくなってきた

まあ俺は探偵じみたことしてるわけでもないしな
性格も大人しい子供みたいなもんなんだろう
知らんけど多分

…そう言えば、コナンの世界なんだよなぁ、ここ、

最近は受け入れてしまって特になんとも思わなくなってきたけど
よく考えれば推しの幼少期自体が隣にいるってすごいことだよな

この子が将来「僕の恋人は…この国さ！」とかいうんだよな
あのシーンシュールでちょっと笑ってしまった
愛国心が強いのはすごいがそれを恋人に置き換えるとなるのはまた別である
生で聞きたいところだがあの車に俺が乗れば死ぬだろう、怖すぎ

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