阿笠くんは・・・３

Episode106 ページ6

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「A…！風邪治ったのか！？」

「も、もう大丈夫なの…？ぼく、しんぱいで、っ」



会うなり肩を掴みグラグラと揺らしてくる降谷と
泣きそうな顔でメソメソとする諸伏

俺は風邪ひいたら死ぬんかと突っ込みたくなるが、まあ心配してくれているのだ
変な言い方をしなくても良いだろう

昨日の夜に飲まされた怪しげな薬によって今日はほぼ全回復している
というか昨日のあれほぼキスだよな
…恥ずかしながらファーストキスなんだけど



「平気だ」

「で、でも！兄さんがAは今僕たちが近づけないくらい重症なんだって…」



あの人ほら吹きだな…
適当なこと言ったのか…
まあ追い返してくれと頼んだのは俺なんだけど
博士と会ってもらっては困るしな

それにしたって適当な嘘だ
彼らがまだ小学生でよかったな兄さん…



「嘘だよそれ」

「ええ！？兄さんは僕たちに嘘言わないよ！」

「…そうだな」



かなり信じているらしい
大丈夫かこれ
まあ諸伏はいいとしよう、関わらないし

降谷をチラリと見る



「そうだよ、兄さんはいい人だし嘘なんてつかないよ！お前が重症なの隠してくだけだろ！」



おっとまさかの兄さんを信じ俺を信じないタイプ
まあな、モブよりちゃんとした登場人物の方が信用できるのな
ちくしょうなんかくやしい

心配してくれてるからこその言い方なんだろうけど
もっと他に言葉選びあっただろ…

いやないか、小学生だしな



「はあ……」

「な、なんでため息つくんだ！？」



今日は博士が家にいないので二人を家にあげている
ちなみに博士は会合みたいななんかだ
よく知らないが

布団に潜ろうとすれば、二人はなぜか一緒に入ろうとしてくる



「…なに」

「何って…一緒に寝るだろ？」

「ね、僕たちいると一人よりよく眠れるでしょ？」



…なんでそんなの知ってるんだよ
正確には誰かと一緒だと、だけど

ここにきてから気がついたことの一つは、思ったより自分が人肌恋しがっていたということ
降谷と諸伏が保健室とかで一緒に寝ることは稀にあった
後諸伏の家とか

そういう時に気づかされる
誰かと一緒に寝るとあったかくて、
一人のとき何も感じないはずなのに、まるで普段寂しがってるかのような感情を抱きそうになる
そのくらい、誰かと寝るのは心地よかった
将来ソフレくらい作っておいた方がいいかもな
…いや、そんな親しげにできる人いないか



「おやすみA」

「風邪早く治すんだぞ」



……もう治ってるんだけど、まあいいか

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