弍十弍 ページ22
銀時に呼び戻され、慌てて彼らについていく。
ついていった先は吉原の大きな門構えをした建物。
中に入ると、全員がある一点目がけて足を進めた。
「A！！！！」
橙色の長髪の男がAの首根っこを掴み、締め付けているのを見て、すぐに銃を構えた。
「んの、クソ兄貴！！」
手を離した男に神楽は飛びかかり、陸奥と月詠はぐったりと横たわるAに駆け寄る。
首からはだらだらと血が流れ、身体の至るところに傷が目立つ。
万事屋と迎え撃つ構えをとったとき、橙色の男はため息をついて背を向けた。
「ったく邪魔者ばっかで嫌になっちゃうなー。俺はAと戦いたかっただけなのに。じゃ」
牽制するように傘型の銃で、こちら側に乱射しその場を去っていった。
追いかけようにも素早い身のこなしについていけなかった。
「っち…待ちなさいよ神威…」
傷だらけのまま、男の行く方向に手を伸ばすが、がくりと腕を降ろす。
「おい、A、無茶をするな」
「月詠、とりあえずこいつをひの屋に連れていくぞ」
陸奥がAを背負い、月詠達の店へと向かう。
背負われたAはこちらを見て微笑んだ。
「何度も坂本さんに助けて貰ってますね、すみません」
「謝るな。わざわざ買い物に行ってもらったんに災難じゃったのう」
くしゃりと彼女の頭を撫でると、子供のように嬉しそうに笑った。
それを見て、陸奥がぎろりと睨み、坂本を蹴り飛ばした。
「おまんが触ると傷が悪化する。触るな」
「陸奥う！！流石に理不尽じゃろ！！わしは心配して」
「人が弱ってるときに漬け込むとは卑怯な奴じゃのう。Aに変なもじゃ虫を付ける訳にはいかんきにー」
「シスコン！！！」
くだらないやり取りにくすくすと笑うAにふと胸を撫で下ろした。
しかし、喧嘩しながら向かう様子に呆れたのか月詠が溜息をつき
「おんしら、怪我人抱えて喧嘩するならAをよこしなんし」
ひょいとAを小柄な陸奥から奪い、自分の背中に背負い直した。
陸奥と不満をあらわにして顔を見合わせた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。（2代目）(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみに待ってます…！ (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nattu | 作成日時：2015年11月17日 23時
