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一つ目の料理場は、綺麗に整頓がされた所だった。長い時間が経ったようなのでどの元素かは具体的に分からないが、元素力を利用していくつかの獣肉と松茸が新鮮なまま保存されている。
次に来た人が使えるように、という工夫か。仙人に供えたであろう料理のレシピも紙の端の折れ一つなくその獣肉と松茸の隣に添えてあり、ここで料理を作った人の几帳面な性格が垣間見えた。
二つ目。恐らく過去に使われて、使い残されてそのままになってしまったのだと伺えるような状態のハスの花托とキンギョソウ、それから豆腐が辺りに置かれていた。苦味の深いハスの花托をどう活用するか、という点や、豆腐が水っぽくなるのをどう防ぐかという点でかなり難易度の高い料理になるかもしれない。だがここまで条件があるとなれば、作られた料理の特定は容易いはずだ。
三つ目。小麦粉が散乱した、雑さが見えた料理場だ。料理を作ろうとしたところで諦めたのか、はたまたトラブルに巻き込まれたのか…鍋の中には得体の知れない肉が放り込まれたままだった。あまりにも処理の仕方が雑だが、足跡で少し汚れたり荒んだりしているものの、料理のレシピもそこに放られていたので及第点だろう。
───さて、辺りにあった手掛かりになるような場は以上だ。場に置かれていた料理器具や材料、レシピから大方予想はついたが…そもそもこの料理が仙人の好みに合っているのかすら分からない。
いや、それにしろやるしかないんだけれど。旅人はどこからか取り出した食材(鮮度に問題はない)を鍋の上に置いて、昼頃に見せた、あの片手剣を空気中にしまう動作にも似た手際で鍋を金粉で包んだ。するとみるみる鍋の中身が完成された料理に変わっていき、周辺に料理の良い匂いが漂い…ついでに、パイモンの表情もみるみる輝いていく。
できた料理は、松茸の肉巻き、モラミート、真珠翡翠白玉湯の三つ。さぁあの石のテーブルに奉納しに行こうと、私たちで一つずつ料理を手に持ち、よだれを垂らして料理を見つめるパイモンに静止を掛けながら向こうへ歩みを進めた。
そりゃあ私だって��料理を一瞬で完成させる��なんて魔法は見たことはないんだから、旅人の不思議な術も気にはなるけれど、今ツッコむとか、できないだろう。…雰囲気的に。
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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (
レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります！一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね！ (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)
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