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風が吹き荒れているのかと錯覚してしまうほどの威厳が、辺りに立ち込めている。旅人はさっと禁忌滅却の札を取り出し、仙人に向かって静かに歩んで行った。恐る恐る、といったようにパイモンもその後ろにぴったりとくっついて進む。
「削月築陽真君に言われて来た」そう言って旅人が札を仙人に見せると、仙人はほんの少し関心したような声色で「禁忌滅却の札か」とこぼした。
「昔、帝君がこの神札を作り、人々に授けた。元々数が少なく、千年を経た今ではもうほとんど存在しないだろう…」
仙人が岩神に従うのは、牢固なる契約の下で。彼らの間に友情があったとしても、契約に反することは絶対に許されないのだ。
…そして、この札に秘められた��所持者には危害を加えない��という言葉もまた契約。つまり、私たちは彼らにとっての敵ではなく、客人だ。たとえ領地を荒らされたとて、仙人も話を聞かないわけにはいかない。「まずは詳しい事情を聞かせてみよ」、後々事実を確認させてもらう、と付け足して仙人は言った。
「…じゃあ、…迎仙儀式があったのは知ってると思うんだけど」
「そこで岩神が、帝君が…暗殺されて」
「七星は見物人たちを怪しんで、それで俺たちが疑いを掛けられたんだ」
先は旅人の背に隠れていたパイモンもいつの間にか出てきており、何も言わない代わりにうんうんと何度も頷きを見せている。仙人はやはり状況に理解が追いついておらず、度々ばさばさと翼を動かすばかりだった。
…「我らは帝君の律令に従い、璃月を守っている」突然、仙人がぽつりと呟く。「人間界の繁栄により、我々は山野に住むようになった。これは人間を思ってのことであったのに」
「だが今…帝君は…」ああ、と仙人の口から感嘆がゆらりと飛び出す。鳴らした声は確かな失望を掲げていた。
「旅人よ、話は分かった。削月築陽真君が招聘した理由も分かった…この山の雑事を処理したら、ほかの仙人たちに会いに行こう」
「雑事？」山で何かやることがあるのか、と旅人は首を傾げる。それにすっかり元気を取り戻したパイモンが「知ってるぞ！」と口を挟んだ。
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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (
レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります！一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね！ (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)
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