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06.あまとぶや ページ27

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 旅人からの同道の許可も貰ったところで──私たちは早速璃月港を発ち、仙人の住む絶雲の間にやってきていた。
 絶雲の間には、三つの塔のような高い山がある。そのうち一つである“慶雲頂”の麓にて、三眼五顕仙人が一柱、削月築陽真君を探すこととなったのだ。


 仙人が住むだけあって、ここ一体だけでも見渡せば途方もなく広い。今からここを探していくのかと気分が下がるのを感じた。
 …とまぁ、開始早々気が乗りはしなかったものの、思ったよりも簡単に発見できた。どんどんと絶雲の間の奥へ奥へと入っていくと、ふいに大きな香炉が目に付いたのだ。「おい、あそこ…なんだか仙人が居そうじゃないか?」同じ場所を見ていたのか、パイモンもまた灯に囲われた香炉を指す。

 下手に仙人の怒りを買わないようにと恐る恐るそこへ一歩を踏み出せば、正面から鹿のカタチをした生物が姿を現した。「何者だ?」低い声が言葉を紡ぐ。




「なぜ勝手に“絶雲の間”に入った?」




 「俺は……」仙人を見上げ、なにか発言で返そうとする旅人の一歩手前に出る。「え、」と言葉を詰まらせた旅人を無視して、私は一礼を仙人に向けた。
 第一印象は大事だ。まず初めに人に与えられる印象を感じるものは容姿や声、そして次に発言の仕方。姿形はどうしようもなくても、発言であれば矯正することくらいできるだろう。




「お初に御目に掛かります、Aと…空、パイモンと申します。此度無礼ながらもこちらへ向かわせていただきました理由を述べさせて貰いますと、貴殿を始めとした仙人様のお力をお貸しいただければと存じ、また迅速に仙人様へ真実をお伝えしようと愚考したまででございます」




 再度頭を下げ、私は一歩引いて旅人の後ろへと退がる。私がそれほど敬語を回せたことに余程驚いているのか、旅人とパイモンは目を丸くしていた。
 続きはどうぞ、と旅人にアイコンタクトを取ると、彼は禁忌滅却の札を取り出して仙人に近付いていく。

 ───そのとき。「A、だと…?」と仙人の口から声が聞こえた。それは紛れもなく仙人の声であり、紛れもなく私の名前であった。

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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります!一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新頑張ってください! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね! (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:  | 作成日時:2021年1月25日 21時

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