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｢誕生日プレゼントはお気に召しましたか、お嬢さん。｣
この男は最初からAが外の世界に触れたことが無いことを知っていた。
だからこうして世界は想像以上に広いこと、とても美しいこと、自分は小さな存在でしかないことを誕生日プレゼントと称して彼女に教えたのである。
閉鎖的な空間でしか世界をしらなかった彼女にとって、この街並みは衝撃的なものだった。
家に帰るとAは世界の中心に立っていて自分の思うがままにストーリーが進んでいく、今日の宴会なんて彼女が主人公である。
Aは自分が主人公である世界しか見てこなかった。彼女が中心、何もかも。
天狗になっているつもりではなかったが、それが当たり前になっていた。それがどうだ、そんな事実はまるで無かったかのように彼女の存在は外の世界にはまるで歯が立たない、空気も同然だった。
｢....えぇ、とても綺麗ですね。｣
Aはこのプレゼントをとても気に入っていた。生まれてきて10年の月日の中で一番と言っても過言ではないほどの最高なプレゼントである。
声には感情は現れないものの瞳には確かにハートマークが映し出されていた。
こんな夢のような現実、時間が永遠に止まってしまえばいいのにと彼女が悪態をついたのも束の間。
｢さて、シンデレラ。お時間ですよ。｣
男は彼女の感情をよそにAを抱き上げると鳥籠に戻すために来た道を戻っていく。
｢お願い、まだ見たいの。｣
そんな彼女の我儘を全て無視して男は彼女の屋敷へと踵を返した。
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因幡 - 続き楽しみにしてました… (2020年4月24日 13時) (
レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
えりか(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせていただきます。設定やストーリーがとても面白いです！続きがどうなるのかとても気になるのですが、もう物語を更新する予定は無いのでしょうか？ (2020年2月29日 2時) (レス) id: bcece27663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きっくん x他1人 | 作成日時：2019年10月13日 21時
