【QK】Gravity

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「それがどうかしましたか？」


　何故そんな事を訊かれたのか。純粋な疑問を投げ返すと、伊沢くんは「そっか」と小さく呟いた。


「いや、QuizKnockの活動について直接対面して意見を聞けるのって、クイズ関係者かマスメディア関係者か、僕らの身内が殆どなんですよね」
「はい」
「僕たちの動画って、やっぱり学生の視聴者さんが多いんですよ。勿論、大人の方にも楽しんで頂けるようには作っているつもりなんですけど」
「ああ、まあ若い学生さんが多いですよね、やっぱり。見ていてそんな感じはします。そもそも教育方面に力を入れてらっしゃるフシもありますし」


　それは彼らが高学歴だからこその特徴なのだろう。動画にも勉強関係のものは多いし、新聞社の仕事で学生向けの記事を書いたりもしている。


「一応、方向性としては教育事業なのでそれはそれでいいんですけど、やっぱりそこだけに留まっている訳にもいかないので。身内以外の一般的な社会人の方から見たご意見をお聞きしたいんです。参考として、今後に活かす為に」


　こんな機会滅多に無いので――と彼は続ける。それはこっちの台詞だ。


「ご意見……と言うと、感想みたいな？」
「そういう事ですね」
「うーん……。まあ偏りがあるかとは思いますけど、私の感想でお役に立てるんでしたら」
「是非。お聞かせ願えます？」


　マーケティングリサーチとして使えるかどうかは分からないが、一視聴者である私の意見でも彼らの役に立てるのなら、それに越した事は無いだろう。

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