89. 祐也にぃ ページ36
祐也「遅かったな」
至「意外と混んでた。…てか、何？今の話」
祐也「お前から話聞いてた時から思ってたんだけどな。予想的中」
…祐也にぃは笑ってるけど、至さんの目は笑ってなかった。
祐也「オレと摂津兄妹、小さい頃隣に住んでたんだ。仲良かったなって話」
至「それはどうでもいい。オレが聞きたいのはそこじゃない」
祐也「…ああ、なるほどな」
祐也にぃが挑発的な目をする。
至さんは、ただそれを睨み返していた。
祐也「言葉通り、オレの初恋はAだった。それだけだ」
A「そうだったの？！」
祐也「あれ、言ってなかったか？」
A「だ、だって祐也にぃ、あの時…！」
至「…何で黙ってたの」
祐也「確信が無かったからな。今日会ってみて、やっぱりAだって分かった」
至「……祐也」
祐也「…心配しなくても、何もしねぇよ」
…2人の会話に入れなくて、私はその場を動けなかった。
――祐也にぃは、私の初恋だった。
小さい頃、いつも泣いてる私を助けてくれたのは、万里だけじゃなかった。
隣の家に住む、5つ年上の祐也にぃ。
…カッコよくて、すごく強かったことを思い出す。
私は、そんな祐也にぃに恋してた。
けど―――……
『…ごめんな。オレ、大切にしたい人がいるんだ』
…私の精一杯の告白は、そう言って優しく断られた。
それからしばらくして、祐也にぃは高校を卒業し、隣の家からいなくなってしまった。
(まさか、こんなところでまた会うなんて…)
至「…いくら祐也でも、Aは渡さないよ」
祐也「そんなつもりねぇよ。ただ懐かしかっただけだ」
至「………」
至さんはまだ祐也にぃを疑ってるみたいだった。
(祐也にぃの初恋が、私…？)
頭が混乱してて、落ち着かない。
祐也「とりあえず帰ろうぜ。明日も仕事だろ」
至「…分かった」
A「っ…祐也にぃ、私…！」
祐也「ほらよ」
祐也にぃからポンと手渡されたのは…名刺だった。
祐也「何かあったらいつでも連絡しろよ」
A「あ、ありがとう…」
祐也「よし、帰るか。至、先に車行っとくからキー貸せ」
至「……」
至さんが無言でキーを投げ、祐也にぃはそれを受け取ってフッと笑った。
祐也「じゃ、後でな」
ひらひらと手を振って祐也にぃは先に店を出た。
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
