46. 囁く声 ページ1
――その後、ちょうど離れたタイミングで部屋に入ってきたお兄ちゃんに苦笑いされながら、部屋を出た。
至さんは優しく目を細め、軽く手を振ってくれた。
(……私、何で…)
どうして、拒まなかったんだろう。
あの時、逃げようと思えば逃げられた。
避けることも、突き飛ばすことも出来た。
でも――そうしたくなかった。
万里「至さんと何話してたんだ？」
A「…ううん、何でもない」
記憶が無くなる前はどうだったのか分からないけど、あんなに切なくて、胸が締め付けられるような告白は初めてだった。
キスされたあの瞬間が、どうしても忘れられない――。
十座「遅かったな」
お兄ちゃんの部屋に戻ると兵頭くんが待っていた。
万里「至さんも話したいことあったんだろーし、別にいいだろ」
十座「……ああ」
…一瞬だけ、兵頭くんの表情が暗くなった。
十座「…さっき、左京さんが摂津のこと探してた」
万里「マジ？ちょっと行ってくるわ」
お兄ちゃんがひらひらと手を振って部屋を出ていった。
…兵頭くんと二人だけになると、少し緊張する。
――カチャ、とカギが閉まる音がした。
A「兵頭くん？」
十座「…左京さんが探してたってのは、嘘だ」
…俯いてるせいで、どんな顔をしているのか見えない。
十座「…至さんに、何された？」
A「っ……！」
その言葉に、耳がカアッと熱くなるのが分かった。
…ゆっくり距離を詰められて、気づいたら壁まで後ずさりしてしまった。
兵頭くんに覆いかぶされるように、壁に手を付けられ、逃げ場が無くなる。
兵頭くんが髪をサラリと撫でた。
十座「……やっぱり、無理だ」
――刹那、首筋に柔らかい感触がした。
それが唇だと認識するのに、一瞬だけ間があった。
A「っ…兵頭く…！」
十座「……好きだ」
何度も、軽くついばむ様なキスを繰り返される。
そのたびに力が抜けていって、足元がふらついた時、兵頭くんに抱きとめられた。
十座「…誰にも渡したくねぇ」
…鋭く真剣な目に圧倒されて、床に崩れ落ちた。
逃がさないとでも言うように、兵頭くんが覆いかぶさってくる。
A「っ…兵、頭くん…」
十座「……お前が好きだ」
――頭を抱き抱えるようにして、兵頭くんは優しく口付けた。
何が、起きてるんだろう。
…目の奥がチカチカして、何も考えられない。
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
