たいやきが七匹 ページ8
「だ、大丈夫っスか！？」
千冬くんという名の男の子が慌てて叫んだことでようやく自分が泣いていることに気がつく。
「あれ、何で、私…？」
あふれ出す涙を手で抑えるが収まる気配はまるでしない。それどころか脚が震え出す始末。
「ご、ごめんなさ…ｸﾞｽｯ」
「………」
我ながら情けない。助けてくれただけでも迷惑をかけているのに、ましてや目の前で泣かれるなんて面倒以外の何物でもない。
「も、もう帰りますねっ、本当にご迷惑をお掛けしてすみませんでした…！」
自分への嫌悪感でいっぱいになった私は小走りで神社の階段へと駆け出す。
だが、階段を降りようとした私の肩を誰かが掴んだ。
「マイキーくん…？」
「そんな状態で帰ったら危ねーよ？」
私の肩を掴んだのはマイキーくんだった。
「いや、あの、これ以上ご迷惑をおかけする訳にもいかないので大丈夫です…！」
そう答えるとドラケンくんはため息をついた。
「あのなぁ？A、この中に誰も迷惑だなんて思ってる奴いねぇからさ」
「ドラケンくん…」
「泣いたって別にオレたち何も思わねェよ？」
「三ツ谷くんも…あ、ありがとうございます…」
「あんな毅然としてる女子、オレらだって見た事ねェし、怖くねェ方がおかしいんだから心配すんなよ？」
オマエ強ェんだな、と場地くんが上着をかけてくれた。
「ってことだからサ、A、そんなに気ぃ詰めなくていいんだよ？」
「マイキーくんも皆さんもごめんなさい…なんだか皆さんに一人で立ち向かったことを認めて貰ったら、あの時の恐怖がフラッシュバックしちゃって、」
「別に謝んなくていいよ。今度また美味いたい焼き焼いてくれたらそれでチャラってことで」
「オレと場地さんと三ツ谷くんだってまだAさんのたい焼き食ってねぇんスから、今度オレらにも作って下さいね？」
「は、はい！お店で待ってますね！」
本当に、助けてくれたのがこの人たちでよかった。
「私、皆さんと出会えて本当に良かったです！」
とびきりの笑顔でそう伝えると、皆さんの顔がほんのり紅く染まったような気がした。
「Aさん…！良かったらオレが送っていきますよ？」
「は？千冬テメェ何言ってんだッ」
「別にオレが送ってってもいいじゃないスか」
「俺がよくねェよ！」
騒ぐ皆さんをみて、自然と笑みが溢れた。
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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです！灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (
レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが，三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので，他の方々でも全然有りです！！！無理しない程度に更新頑張って下さい！応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：切猫 | 作成日時：2022年10月2日 10時
