たいやきが十二匹 ページ13
*三ツ谷side
「隆、くん」
Aは少し恥ずかしそうにオレの名前を呼んだ。
「へへ、結構照れるね」
真っ白だったAの頬をが染まるのを見て、自分の身体の中心がブワっと熱くなるのが分かった。
(名前呼ばれただけなのにな……)
さっきから自分のこと心臓がバクバクとうるさく脈打っている。
名前で呼んでいるのはオレだけ、と考えると優越感で心臓の鼓動はおさまるどころか更に速くなる。
「今日はご飯誘ってくれてありがとう。誰かの家でご飯食べたのなんて初めてだったから凄く楽しかった」
ふふ、と笑うAの笑顔が直視できなくて顔を逸らす。
別にAの笑った顔を初めて見た訳でもねぇのに。
「おうそりゃよかった。メーワクしねぇからまた気軽に来いよ」
嘘。平静を装ってそう言っちまったが急に来られたらオレの心の準備ができねぇ。
「うん!ルナちゃんもマナちゃんもとってもいい子だし、隆くん家とっても落ち着くの」
家を見渡す様にキョロキョロするAを見て、改めて家にAがいることに照れる。
たった先ほどまでAのことは友達の為なら自分より強ェやつにも立ち向かえる芯のある子という認識だった。
でも過去を知った今、この笑顔の裏にどんな努力があったのかを想像すると、どうしても守ってあげたくなる。
まだよく分からないけど、好き、というか憧れなんだと思う。
誰にも迷惑をかけないで一人で戦っているところが、心配ではあるがその反面やっぱりカッコよくて。
「隆くん」
「お、おう」
まだ慣れない名前呼びに一々反応してしまうのが少し恥ずかしい。
「今度、今日のお礼ってことで隆くんとルナちゃんとマナちゃんにご飯作ってもいいかな?」
「えっ?」
「あっ、私ね、将来調理師免許取ろうと思ってて、料理するの結構得意なの」
「そうか、楽しみにしてるぜ」
「じゃあそろそろ帰るね。ご馳走様でした」
「ああ。またな」
手料理を食えることに内心ガッツポーズしながらAを玄関まで送り別れる。
多分今日はきっと寝れない。
*三ツ谷恋に落ちる編ここで終了です〜!!こんな感じで一人ずつキャラクターが夢主ちゃんに恋に落ちるまでを3〜4話で書きたいと思います^ ^ みんな一目惚れではなく徐々に好きになる感じなので話数が多くなると思いますがご了承ください汗
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切猫(プロフ) - イチゴミルクさん» コメントありがとうございます(^^)本作を楽しんで頂けて嬉しい限りです!灰谷兄弟とても迷っていたので参考になります…!三途君はちゃんと夢主と絡ませるつもりですので楽しみにお待ちください♡ (2022年10月9日 18時) (レス) @page17 id: 4abe33d0e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主ちゃん可愛すぎるっ…三ツ谷君とかもちょいとタジタジになってるの尊…オチに関してなのですが,三途君か灰谷兄弟見てみたいなと…希望なので,他の方々でも全然有りです!!!無理しない程度に更新頑張って下さい!応援しておりますっ (2022年10月9日 16時) (レス) @page17 id: 4b77fe0276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切猫 | 作成日時:2022年10月2日 10時