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118話 ページ23

「Hey、随分世話してくれたみたいで。」

「お門違いやでそれは。大体あんたが来るのが遅すぎたんちゃう?」

「邪魔が入ったんだ。それで?いい加減うちのAから手を退けてくれないかい。後は俺に任せるんだぞ。」



鈍く光る銀のトレイを引っ提げてその男は立っていた。視線を合わせることは無い。相手が誰だかはすぐに検討がつく事だ。
むにゃむにゃと言葉にはならない音を口から発する青年は、俺たち二人の間に酷く不似合いである。背をさすっていた手をそのまま上にあげると、そいつは軽々とその人を抱き上げた。
いや、抱き上げたというよりは担ぎ上げたというかんじ。ぐえ、と潰れた苦しそうな音が上から聞こえる。



「君、アントーニョだろ。君たちの話は今でも聞くよ。最悪の2人だったって。」

「へえ、そうなん。後輩にも知られとるっちゅうのは光栄やわあ。アイツとセットなんは反吐が出るけど。」

「Aとどういう関係?」



きたよ定番。
そう喉まで出かかった言葉を無理やり押しとどめた。彼…もといアルフレッドはその目に宿る敵意を隠すつもりさえ無いらしい。こういうところはあのクソ野郎にそっくりで、久しく忘れていた感情がじわりと熱を帯びるのがわかる。だが、決してそれを表には出さないように、アントーニョはへらりと笑った。



「お門違いや言うとるやろ。ただの健全なお友達。」



みんながみんな興味持つか。あほらしい。
そう告げるとアルフレッドは怪訝な顔をしながらも、ふんと鼻を鳴らした。若さ故の青臭さに多少なりともげんなりとしてしまう。
彼を見ていると学生時代の辟易とした数々の思い出が浮かび上がってくる。あの頃は俺もそこそこおいたしたものだ。遊び半分の恋人と楽しんでいた時に、前の恋人が乗り込んできた時にも丁度同じことを聞かれた。あの時はなんと言ったんだっけか。
でもそれは何もアントーニョだけに限った話ではない。アーサーなんてもっと酷かったし、フランシスに至っては今も酷い。
若気の至りとはまさにこのことで、学校を出る頃には自分のそれはすっかり落ち着いた。

手元のグラスには溶けた氷が僅かに残っている。まだ納得のいかない表情の男は、それでも肩のその人が苦しそうにしているのを確認するとひとまず優先順位を入れ替えたようだった。

顔を上げると青い目と丁度ぶつかり合う。



「俺は俺と、それからAの敵には容赦しないからね。」

「はは、そんな大事なもんならよう守っとき。」

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設定キーワード:男主 , ヘタリア , APH   
作品ジャンル:アニメ
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m(プロフ) - fです。いつでも気長に更新待っています! (11月13日 5時) (レス) id: 4ca17f9031 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - fさん» 本当に泣きました。ありがとうございます。がんばります! (4月20日 9時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)
f - 何度も繰り返しているからこんな素敵な作品になるんですね!この作品に出会えて、読むことができるなんて幸せ...最高.....!好きなのでどれだけ掛かっても大丈夫ですよ!頑張ってください! (4月17日 22時) (レス) id: 4ca17f9031 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - fさん» f様、度々応援のお言葉ありがとうございます。自分は一度に一気に更新することが苦手で、何度も何度も編集を繰り返してしまうのですが、そのお言葉にとても救われました。ゆっくりにはなってしまいますが、これからもよろしくお願いします。 (4月17日 1時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)
f - 久々の更新でわくわく...!!気長に待ってます!頑張ってくださいいつも応援してます! (4月15日 2時) (レス) id: 4ca17f9031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そうる | 作成日時:2018年1月9日 17時

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