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113話 ページ18

「フラン、これで…」

「そうだね、お疲れ様。」



アントーニョが大きく伸びをした。ローデリヒさんと俺も作業の手を止めて口を開く。お疲れ様です。おう、お前らもな!
早々に腰から外したエプロンは中央の調理台に畳んで置かれている。正しくは、俺のエプロンは畳んで置かれていた。ローデリヒさんのそれはある程度まとめてあるがほっぽかれていて、俺はそれをきっちりと正す。そこにアントーニョさんのだと思われる一枚も加わったから、ついでにそれも揃えておいた。

使った器具を乾かすために逆さにして並べていく。それが最後だった。ただ余った時間を持て余したために始めた作業も二人でやればすぐに終わってしまう。それにマスターは未だに調理中で、自分たちの分しか洗い物もなかった。
四人で協力して作った料理は七割ほど完成していた。指示された仕事を完遂した時には安堵と達成感に満たされたものだ。だってあそこに並んでいる美しい料理の欠片は俺が担っているんだぞ。感動しないわけがない。

時計は七時過ぎを指していて、既に招待客は歓談を交わしているようだ。幾つかの料理がマスターによって運ばれていったのを見ている。きっと客の舌を満足させていることだろう。



「あとは俺一人で問題ないから。お前らも素敵なパートナー見つけてこいよ。」

「せや!今日はそのために来たんやからな!」

「片付けの時間になったらまた呼んでください。」

「うん、ありがとね。」



鍋をかき回すマスターは存外ごつさのある手を数度振った。さっさと行けということだろう。視線がこちらに向くことはない。俺たちは素直にそれに従った。

厨房を出るとそこにはいつもの三倍ほどの人が詰めていた。煌びやかなドレスを纏う女性達とスーツをラフに着崩す男性達。その手にはグラスを持ち、みな軽やかに笑う。既に女性の腰に手を添えて店を出るカップルもいて、なんだか店全体が熱を帯びているように感じた。
揃って顔を出したアントーニョは顔を輝かせ、一方のローデリヒは眼鏡の奥の表情を変えない。俺はというときょろきょろと辺りを見回すばかりだ。何故なら面白いものが見れるはずだったから。

目的の人物はすぐに見つけることが出来た。普段では有り得ない格好に身を包んだ巨体は、薄っぺらい笑みを浮かべて客と言葉を交わしている。

しばらくしてから彼は相手に手を振った。どうやら会話が終わったようだ。そしてすぐさま俺の方を振り向く。



「A、笑ってる場合じゃない!」

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設定キーワード:男主 , ヘタリア , APH   
作品ジャンル:アニメ
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そうる(プロフ) - fさん» 本当に泣きました。ありがとうございます。がんばります! (4月20日 9時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)
f - 何度も繰り返しているからこんな素敵な作品になるんですね!この作品に出会えて、読むことができるなんて幸せ...最高.....!好きなのでどれだけ掛かっても大丈夫ですよ!頑張ってください! (4月17日 22時) (レス) id: 4ca17f9031 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - fさん» f様、度々応援のお言葉ありがとうございます。自分は一度に一気に更新することが苦手で、何度も何度も編集を繰り返してしまうのですが、そのお言葉にとても救われました。ゆっくりにはなってしまいますが、これからもよろしくお願いします。 (4月17日 1時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)
f - 久々の更新でわくわく...!!気長に待ってます!頑張ってくださいいつも応援してます! (4月15日 2時) (レス) id: 4ca17f9031 (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - fさん» ありがとうございます!f様のような方々のお力があってこそ頑張れます。まだまだ作品は続いていくと思いますが、これからもお付き合いしていただければ嬉しいです。コメントありがとうございました。 (1月15日 10時) (レス) id: e4ea35986a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そうる | 作成日時:2018年1月9日 17時

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