98話 ページ2
日中、街を歩く人々は様々だ。働きに出る人間がいれば、昼飯の材料を探す人間もいる。真昼間から潰れた飲んだくれや、散歩しているであろう老夫婦はいたって幸せそうに時間を謳歌していた。
俺は単にマスターのとこで朝まで飲んだ帰りである。さすがにやりすぎた。二日酔いルート確定だ。アルフレッドにはアーサーさん伝いで連絡を入れたはずだし問題ないだろうけど、夕方に家に来るあいつの面倒を見ないといけないのは気が重い。うわ考えただけで吐きそ。
今にもせり上がってきそうな昨夜の残痕を必死で手のひらで抑える俺は、さぞ滑稽な姿だっただろう。表情は青ざめて腰は引けている。だが、この街でそんな人間は珍しくもなんともない。
澳門をどうにかして呼ぼうとも思ったが、何か次言葉を発しでもしたら一気に溢れそうである。何がって？モザイクだよわかるだろ。俺は家までの道を一人で帰らねばならないのだった。
建物の壁伝いになんとか歩く。普段そこまで長くない道が、今日は幾重にも続く終わりのない大陸に見える。果たして辿り着けるのだろうか。今の俺は恐るるなかれ、時速60メートルだぞ。
そんな俺が自分の胃袋と周囲の視線とで激しい戦いを繰り広げる中、小刻みに震える俺の肩にぽん、と何かが置かれた。思わず驚いて、首だけを背後に向ける。
「自分、大丈夫？なにか手伝おか？」
「へっ？はっ……！うっ……うぷ、」
「ああああああ！？！？」
そこにいたのは妙に癖のある喋り方の小麦色の肌をした男。
ただ惜しむらくはその男の気遣いが、俺の胃袋の栓を抜いてしまったことである。口から溢れ出したそれに男はなんとか飛び退いたため、赤の他人を汚すなんて事態にはならなかった。
ああ、ここからはしばらくお待ちください。
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ミチル - ID違うんですけど一応同一人物です、、、！ (2022年9月15日 7時) (
レス) id: 4511edeaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミチル - 初コメからしばらく経ちましたが未だに見に来てます。とても面白いし、この作品の続きを楽しみにしている人もいると思います！私はいつまでも続きを待ってます！ (2022年9月15日 7時) (レス) id: 4511edeaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ミチル - 初コメ失礼します。凄い面白くてあっという間に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年8月3日 23時) (レス) id: e447b7200f (このIDを非表示/違反報告)
そうる(プロフ) - 山口さんさん» 四年も前の二次創作に心温まるお言葉をくださり、ありがとうございました。 (2022年7月9日 22時) (レス) id: 4692de9cf0 (このIDを非表示/違反報告)
山口さん(プロフ) - ただただこのそうるさんのひとつひとつの表現が好きです (2022年4月30日 2時) (レス) id: 218fc2ba1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そうる x他1人 | 作成日時：2018年1月9日 17時
