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松葉杖を玄関近くの壁に立て掛けてひと段落と言わんばかりに大きく息吐く。
改めて家の広さに感動する。以前住んでいたのは大学時代は1K、社畜時代は家族向けマンションだが少し狭い1LDK。新居は歴代とは比べ物にならない4LDK。独り暮らしには十分過ぎる広さだ。
家具以外の小物や衣類等が仕舞われた箱もあらかじめ置いておく場所を指定しておいたので目的の物を探す為に片足を引きずる様にリビングへ向かう。リビングには食品系をまとめて置いてある。目的の物とは両隣の部屋に挨拶しに行く時用の手土産だ。
テーブルの上に置いてある箱の中から｢手みやげその他｣と書かれた箱を見つけ開ける。その中から箱詰めゼリーを取り出してそれ用の袋に詰める。
時刻は14時半を回ったところ。706号室に住んでいる人は知らないが、704号室には内見の時に偶然会っているが老夫婦が住んでいた。今の時間帯なら奥さんのトミさんが居るはずだ。
荷解き等には一切手を付けずに準備した袋を持ってまずは704号室へ。
インターホンを鳴らせば、優しい声音だがどこか力んだ声音の女性の声がスピーカーから流れる。
｢新聞も神様の教えも要らへんで｣
｢あ、勧誘じゃなくて。隣に引っ越してきた竹中です｣
｢あらやだわぁ！ A君かぁ、ちょっと待ってな｣
そう言って数秒もしない内に玄関ドアが開くと、どこにでも居そうな優しそうなおばあさんが出てきた。
｢お久し振りですトミさん。これはご挨拶のフルーツゼリーです｣
持ってきたフルーツゼリーの箱を袋から出して手渡す。
｢わざわざありがとねぇ。身体の調子はどう？ もう怪我はええの？｣
｢まだ松葉杖はありますけど大分いいですよ。そう言えば、706号室に住んでる方知ってます？｣
｢あぁ嶋田さん？ あんまり会わへんからよう知らんけど彼もかっこええなぁ｣
｢はぁ……｣
｢あんたみたいに背ぇが高くてな。綺麗な金髪しとってほんで──｣
｢あぁ〜！ やっぱり今の時間帯は居らんのですかね？｣
放っておいたらいつまでも話し続けそうなので少し強引だが知りたい事を聞いていく。
｢そうやねぇ今は居らんと思うわ。いつも朝方スーツで出掛けとるし、夕方とか夜には帰ってきとるんとちゃうんかなぁ｣
｢なるほど、分かりましたありがとうございます｣
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ヘーゼルナッツ先輩(プロフ) - くずをさん» くずをさん初めまして！コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです。励みになります。次の更新ごろにはknさん出るんでもう暫くお待ち下さい……！ (2020年3月23日 6時) (
レス) id: afa2b77f18 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 好きです！もっと評価されるべき！次の更新待ってます！ (2020年3月22日 22時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
ヘーゼルナッツ先輩(プロフ) - むむさん» むむさん初めまして！コメントありがとうございます。物凄く元気が出ました。もう間もなく更新致しますのでもう暫くお待ち頂けると嬉しいです！ (2020年3月16日 16時) (レス) id: a2d6eb8699 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。文章がとても丁寧で彼が出てくるまで全然読めるな…私も全然読むな…という感じなのでコメントさせて頂きました…(？)更新楽しみにしています…！ (2020年3月15日 15時) (レス) id: 30887f6f4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヘーゼルナッツ先輩 | 作成日時：2020年3月10日 22時
