No.262 ページ23
何度計算しても、合計数が合わないとの事。
貴｢……あ、ここの数値が間違ってますね｣
そもそもの記入されている数字が間違っていた、それだと合計数もおかしくなるってもの。
ペンで斜線を引いて、隣に正しい数字を書く。
ざっと暗算で間違いがない事を確認してから顔を上げると、驚いているような丸い瞳と目が合った。
貴｢ど、どうかしました…？｣
｢いや、ただ…一目で間違いがわかるのがすごいなぁと｣
貴｢こ、この表を作成したの、自分なので…｣
自分が作った帳票なのだから、おかしな箇所に気付くのは当たり前。
そんな軽い気持ちでしかなかったのだけど、なぜかその人の目はさらに大きく丸くなった。
｢これを、お前が作った…？｣
貴｢えっ…と、何かおかしな箇所でもありましたか…？｣
総長に確認をお願いした時は、特に不備はないと言われたんだけどな。
｢そうじゃなくて、こういう書類は普通、もっと上の立場の者が作成するものだから｣
貴｢そ、そうなんですか？｣
あれ、総長や師範代に頼まれて、あの手の仕事は頻繁にしてるんだけど…。
もしかして私、まずい事言っちゃったかもしれない…。
｢…なあ、ここもわかるか？｣
｢あ、オレもこの表のまとめ方教えてほしい！｣
便乗するかのように、部屋にいた数人の手が挙がるものだから、びっくりして今度は私の目が丸くなる。
仕事は切りのいいところまで終わっているし、少しくらいならいいかと、上がった手一人一人に応えていく。
こうやって頼られるのって、結構嬉しいものなんだな…。
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
