No.250 ページ11
貴｢そうだ……船…｣
上半身を起こそうとするけど、どういうわけか思うように力が入らない。
ｻﾎﾞ｢おっと、無理すんなよ｣
不安定だった私の体を受け止めてくれたから、
ふらつきながらも座る事が出来た。
背中に回された総長の腕に、素直に寄りかかる。
貴｢…フィルンの町から見て、南側…、丁度この森の海沿い…。
大きく海へと飛び出した、樹の真下…そこに、引き潮の時だけ現れる…洞窟の入り口があります……｣
潮が引くのは新月の夜、10時を過ぎた頃からゆっくりと水位が下がり始める。
船が姿を見せるのは、深夜12時を回った辺り。
洞窟内に荷物を降ろし、そのまま真っ直ぐ島の反対側へと出て行く。
その後、潮が満ちる前…夜が明けるより早く、同じように船が来て、荷を積んで同じように出て行く。
纏まらない思考で、ただ見たままを途切れ途切れに告げる。
あとは…何を見たんだっけ…。
私はあと、どれを話さなければならないんだっけ…。
貴｢えっと…町の人、全員関わっているのは本当で、それと……｣
ｻﾎﾞ｢A、もういい｣
…どうしよう、必要な情報を得る事が出来なかったのかな。
やっぱり私、ただの足手まといでしかなかったのかな……。
｢ごめんなさい｣と謝るより早く、総長の手が後頭部に触れ、そのまま胸の中へと抱き寄せられた。
ｻﾎﾞ｢ありがとう、A。
あとはオレ達に任せて、お前は休んでくれ｣
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三暁 那保(プロフ) - オランジェさん» コメントありがとうございます！ とても嬉しいです！ ｢ユメうつつ｣は次で完結の予定です。ハッピーエンド目指して頑張ります！ 応援のお言葉、本当にありがとうございます。もう暫く、この物語にお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2019年10月11日 23時) (
レス) id: 7810e58c3c (このIDを非表示/違反報告)
オランジェ(プロフ) - ここまで本当にお疲れ様です。陰ながら応援していましたが、最後の場面で感動して、これは感謝を伝えねば！！っと思い今回コメントしました。これからも頑張って下さい！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: 6c614d1ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三暁 那保
| 作成日時：2019年8月11日 19時
