4角片想い Sano Reo

傷つけたくない ページ33

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『裕太くん、こんな私のこと、そこまで心配してくれてありがとう。』





きっと、裕太くんほど親身になって相談にのってくれる人は、東京にはいない。

そんな大事なひとがくれた、道筋。



でも、私は、





『でもね、これでいいの。
私がそうしたいの。』

中務「はぁ、…」



『亜嵐くんはね、すっごく優しくて、私を女の子扱いしてくれて、私のこと、好きでいてくれる。』



『きっと、今まで、一番辛かったのは、嫌になったのは、亜嵐くんのはず。
それでも、ずっと、側にいてくれた人なの。』






私が喜ぶときも、
泣くときも。


側にいてくれたのは、亜嵐くんだった。





自分の気持ちに正直になるのは、大事だって？


そんなの、私も分かってる。

無理しても、自分のためにならないことだって分かってる。


それでも、亜嵐くんだから。





いままで、散々傷つけて、もうこれ以上、傷つけたくない。

亜嵐くんを傷つけないためだったら、なんでもする。





玲於くんは、私のたった1人の好きなひとだったけど、

亜嵐くんもそれと同じくらい大切なの。





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