守りたい( 岸 ) ページ7
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「 ……あった！ 」
あ「 んー？何がー？ 」
「 何がって携帯探しに来たんだろー？ 」
あ「 え…？あ、そうそう。そうでしたー 」
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ふと隣の鏡を見た
前から不思議には思っていた、忘れっぽいAの寂しそうな横顔が映っていた
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「 あれ、これ神宮寺の携帯じゃね？ 」
あ「 ほんとだ！神も忘れてたんだ、笑 」
「 ばっかだなー！…っし、帰るかー！ 」
あ「 うん 」
「 あ、待って。アイス買ってくる 」
あ「 え、おごってくれんの？ 」
「 約束したからな。仕方ない。 」
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" うわー、岸くんやっさしーい " とニコニコしているAにドヤ顔をしてからアイスを買いに向かう
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「 あ、レシートいいっす 」
" ありがとうございました " という愛想のいい店員の声を背に外へ出る
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「 ……ほれよっ 」
渡したアイスが、俺の手を離れることは無かった
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あ「 えっ…………
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……誰？ 」
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「 何そのギャグ！てか買ってやったんだからそんな意地悪すんなよな 」
あ「 え…いや、頼んでないです 」
「 いや、まじ笑えないから 」
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" 早く " と押し付けたアイスが結露を帯びて、冷たい雫が地面を黒く染めていく
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恐怖が宿したAの目が、俺の姿を捉えていた
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「 ……本気で言ってる？ 」
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あ「 …あれっ、私今……っ 」
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泣きそうなAの、歪んだ顔が目に映った
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「 アイス、溶けるから 」
あ「 ……私っ、分かんなかった…岸っ 」
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俺の名前を呼ぶ前に、頭を引き寄せてキスをした
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濡れている頬は見ないふりをして、君の悲しさごと全て塞いだ
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守ってみせると、落ちたアイスに誓った
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来夢 - この小説は切ないけれど、とてもひきこまれました。更新頑張ってください！ (2016年4月30日 17時) (
レス) id: a5df705c46 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょび(プロフ) - このお話凄く楽しいです!なぜか読んでてとても切なくてこのお話に夢中です!何度も読み返してしまうくらい好きです!更新楽しみにしています!! (2015年8月12日 20時) (レス) id: e04cc08771 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - この作品勝手に愛読させてもらってます笑この小説大好き〜！更新楽しみにしてます♪ (2015年8月6日 11時) (レス) id: 88ac788d80 (このIDを非表示/違反報告)
みるくーる(プロフ) - めっちゃ物語のなかに引き込まれます！これからの展開が楽しみです！更新頑張ってください！ (2015年8月3日 15時) (レス) id: 550233e272 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - なんか、恋仲に似てますね。この文章の綴り方、すごく好きです。更新楽しみにしてます、頑張ってください^^ (2015年7月22日 15時) (レス) id: 68f46a9d40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅんめろんぱん
| 作成日時：2015年7月22日 9時
