▽ 幼馴染のはなし ページ1
A勝利、数学貸して
勝利忘れたの?
A忘れました。いつもの理科室の横で待ってる。5時間目だから早く持って来て
勝利残り5分で人に物を頼む態度じゃないよ
A勝利陸上部だから間に合うよ。頑張って
勝利それ関係ないし
ぽんぽんとつく既読と送られてくるふきだしに返事を送っていたら、待ち合わせ場所の理科室横に辿り着いた。
昼休み終了５分前だから人が居ない訳ではなく、いつでも静かで少し薄暗い廊下でぼんやりと勝利を待つ。あ、あと４分になった。
「A」
ぽん、と肩を叩かれて振り向くと数学の教科書をこちらに差し出す勝利。呆れた表情を浮かべている勝利から有難く教科書を受け取る。
「98ページの演習問題やった？」
「98？ ……今日やった」
「問５の答えは？」
「……自分で解きなよ。課題でしょ？」
「ちゃんと解いたよ！ 課題はやった」
「課題したら忘れたんだ」
「もーうるさいなぁ。休み時間終わっちゃう」
私の言葉に、「５分前に呼び出したのそっちじゃん……」とブツブツ言いながら勝利が教科書をペラペラ捲った。開かれた98ページ、問題の隣にシャーペンの薄い文字で答えが書かれている。
「ありがとう！」
「ん」
「帰ったらポスト突っ込んどいていい？」
「そんなことしなくても次の休み時間に教室まで持って来てくれたらいいじゃん。貸すのだってここまで来なくてもさぁ」
「やだよ、勝利から教科書借りてる場面なんて見られたら私の学校生活終了しちゃうでしょ」
「しないよ……」
何言ってんの、と勝利が顔を顰めるけれど、それはこちらのセリフだ。いつも陸上部の練習を応援してる女の子達がいるの知ってるんだからな。
そんなやり取りをしていると、休み時間が残り１分になってしまった。やばい！ と２人揃って歩き出す。
「じゃあこの前借りた漫画も返しに勝利の家まで行くよ」
「良いけど、練習終わるの遅いよ？」
「良いよ。帰ったら教えてね」
曲がり角まで来て、「じゃあ勝利は右ね。私左から帰るから」と手を振った。勝利はやっぱり呆れた顔をしていたけれど、私の言葉通りに右の角を曲がる。理科室は人通りも少ない上に私たちの教室からは対角線上にあるから、お互い遠回りせず別々に帰ることが出来るのだ。
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ハル(プロフ) - ハッピースクールさん» ハッピースクールさん！こちらも来て頂いてありがとうございます(^^)頑張ります！どうぞよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2021年8月22日 21時) (
レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 名無し96398号さん» コメントありがとうございます！全部読んで下さったんですか！？ありがたや…！無理しない程度に頑張ります！のんびりお付き合いくださいね(*^^*) (2021年8月22日 21時) (レス) id: c9566d77ee (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - ハルさんのお話大好きで、新作楽しみにしてました。頑張ってください (2021年8月22日 2時) (レス) id: ce9527749f (このIDを非表示/違反報告)
名無し96398号(プロフ) - 勝利くん担でハルさんのお話全て読ませていただいています！今回もものすごく楽しみです、、！無理しない程度に頑張ってください！！ (2021年8月21日 23時) (レス) id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
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