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「ちょ！ 佐久間くん！ 誰すかこの可愛い子！」
チャラそうな人がそう言って指差してくる。
「んにゃ？ 茂木さんだよ〜」
「E？ 佐久間くんのオンナですか？」
「ちげえよ！ 事務所の社員さん！」
「もう、うるさいよ、茂木さんに自己紹介してもらおうよ」
阿部さんがそう言ってくれて、みんなが黙る。
「え？ 私が、話せ、と？」
キラキラとした目で見てくるみなさんにたじろぐ。
「よろしく！」
阿部さん、笑顔眩しすぎるわ。
あざとい警察出すぞ。
「ジャニーズ事務所の映像編集部に所属しています。茂木Aです。今年23歳です。ジャニーズのタレントさんほとんどわかりません」
緊張しすぎて、超早口での自己紹介。
「こないだより色々言えてるんじゃん。成長だな」
「こら、翔太」
ゆり組もこの目で見ることができた。
ファンの人なら大歓喜な場面なんだろうな。
一夜で学んだ私が「うわっ！」ってなるんだもん。
「で、茂木さん、どうした？」
岩本さんが声をかけ直してくれて、ようやく用件を思い出す。
「あ、、お水、買いに来て」
「なんや自分、勉強終わったんか？」
話ぶった斬る勢いで向井さんの声がかさなる。
「一旦キリ良くなって、チョコ食べたら食べ過ぎて、喉、乾いちゃって」
「ひかると同じじゃん！」
ほんとになんでも盛り上がるなこの人たちは。
「ヘイ！ みどぅ〜」
そう言って渡されたのは、私が買いたかったお気に入りのお水。
「え、あ、ありがとうございます、、」
いきなりでびっくりして、思わず受け取る。
「お金はイイよ〜だいじょぶ！」
「え、でも、、」
「まあ、茂木さん、だっけ？ ジェシーがそう言ってるから大丈夫だよ」
「ありがとうございます、、」
誰だかわからない方が笑ってくれたので、ありがたくお財布を下ろす。
多分、私より稼いでるから。
「それでええんや！ ほんで茂木ちゃん、勉強終わったんやったら仕事終わりなん？ 俺らとお喋り会せん？」
「え、あ、いや、、」
「康二。茂木さんにも予定と仕事あるんだよ」
岩本さんが嗜めてくれる。
「あ、あの。この後は、空いてます。ただ、むかいさんとめぐろさんとラウールさんの勉強しなきゃ、なので終わり次第、ならですけど」
せっかくのお誘いなので、と思い、勇気を出して声をかけた。
「ほんまに！？ んなら、終わったら来て！」
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作者名：なあちゃむ | 作成日時：2022年4月30日 0時
