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あのあと、食事会ではそれ以上齋藤さんが近づいてくることもなく。
佐久間さんと向井さんとのおしゃべりに逃げる形でどうにかお開きを迎えた。
お金はしっかり、副社長が払ってくれて。
ゴチです、副社長！！
｢…もうわかんないですよ｣
映像編集部のカウンターに頬杖ついてる深澤さんにそう零してるのは、同じくカウンターに突っ伏してる私、茂木A。
｢照、重いし面倒だからね〜｣
なんて深澤さんはニコニコしてるけど！
｢難しいですよ…挨拶しても、おう、だけとかだし。すれ違う時には軽く睨まれるし…｣
｢それ、照がAちゃんを見つめてるんじゃないの？｣
ほら、あいつビビられること多いし？ なんて言う深澤さん。
｢見られてるか睨まれてるかくらい、流石にもうわかります｣
ん〜そっか、心当たりないのね？ なんてなんやかんや聞いてくれる深澤さんは優しい。
｢ないですよ…男の人の機嫌の変わり方難しすぎませんか？ 彼氏出来たことない人に難題すぎますって…｣
｢え、？ Aちゃん彼氏出来たことないの！？｣
ちょ、そんなでかい声でいうな！ と深澤さんの口を慌てて物理的に塞ぐ。
｢…なかったらなんですか｣
｢いや？ それ、照知ってるの？｣
そういえば、岩本さんとそんな話したことないな…
｢知らないんじゃないですかね？｣
｢なーるほどね。あ、あとさ、さいとー？ って人とはどういう関係？｣
齋藤さんのことを聞かれるとは何事？ と思いながらも最近一緒に行動してること多いから見られたのかなと思って正直に、同じ部署の先輩で、最近距離が近くて戸惑っている相手だと伝えた。
｢Aちゃん、そのさいとーって男には気をつけなよ？｣
じゃあ、俺は照慰めて説得してくるね、なんて言って帰って行った深澤さん。
｢どういうこと？ ってか、こんな話でどうにかなるレベルなの…？｣
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作者名：なあちゃむ | 作成日時：2022年4月30日 0時
