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「なあ、A。本当はご飯行きたいんじゃねえの？」
「Aちゃんは優しいからこーじと佐久間を守ろうとしてくれてんだよねえ」
「おい、ふっか！ なんで名前で呼ぶんだよ！」
「ええ、いいじゃんかあ、ケチだよねえ照は」
「そういう事じゃねえ！」
その後も私と佐久間さん、向井さんとのご飯行く行かない攻防戦は続いていて。
SnowManさんの夫婦コンビとのYouTube企画会議の時に核心を突かれた。
「......私は普通じゃないので」
そうだよ、私は何事においても普通なんかじゃない。
だから、だから
「普通の人と関わるべきじゃ、ないと思うんですよね」
なんて、自嘲気味に笑うと、真剣な顔をした2人がいて。
深澤さんが珍しく真面目な顔で話し出した。
「俺らもねえ、普通じゃないよね。街歩く時は顔隠して、男なのにメイクして、衣装では何百万円とかのもの身につけて」
「人生でこんなに言われることねえってくらい、かっこいい、可愛い、好きって言って貰える」
「俺たちだって、Aちゃんが思うほど普通じゃないのよ」
「むしろ、Aの方が普通に近いと思うよ」
岩本さんもそう言っていて。
「...そうですかね」
「まあ、価値観次第だけどさ。あいつらはそんな普通も特別も持ってるのに、地道を選んでるAをもっと知りたいんじゃねえの？」
聞いてねえから詳しくは知らないけど、なんて口を尖らせながらそういう岩本さん。
「もう、機嫌損ねるなら教えなきゃいいのに、そういうところ照は馬鹿正直だよねえ」
「......交流会とか、歓迎会とかならいいですよ」
「お店貸切、他の社員さんも同数以上参加、SnowManさんからも他にも参加、食事会、であれば」
歓迎していただく側が何言ってんだ、歓迎しねえよって話かもしれないですけど、なんて言えば、
「こーじと佐久間に伝えとくね、Aちゃん考えてくれてありがとね」
ふわっと笑ってそう言ってくれた深澤さん。
「Aを歓迎しねえとか俺がぶっ飛ばすし」
なんだか物理的に心強い岩本さん。
「こーじと佐久間のフォローはしとくから任せて？」
「他にも条件あるなら今のうちよ？」
そんな深澤さんの言いやすい空気に負けてつい本音の条件を追加してしまった。
「...あのクソ副社長...あ、いや、滝沢さんも出来ればいてほしいです」
証人は何人いても困らない。
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作者名：なあちゃむ | 作成日時：2022年4月30日 0時
