本日ハ雲天ナリ・・・127 ページ33
sideA
短刀を手入れし始めてから十数分が経った時、
___*
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秋田「・・・わぁ、羽が生えたみたいです!」
平野「・・・こんなに体が軽くなるなんて・・・」
乱「わぁい!ありがとうあるじさん!
ねぇ、みんなで鬼ごっこしようよ!」
すっかり元気になった粟田口の短刀達は、我先にと外へ駆けて行った。
元気が良いのはいい事だ。
すると、最後に部屋を出ていこうとしていた厚さんがこちらを振り返って、
厚「・・・本当に、・・・ありがとうな、大将!!」
太陽みたいに笑った。
『・・・いいえ。お礼を言うのは私の方です。
手入れをさせてくれて、ありがとうございます。』
ほら、皆さんが待ってますよ、と背中を軽く押すと、
厚さんはまた 「へへっ!」と笑って乱達を追いかけて行った。
____*
___
雑草一本生えていない庭で、粟田口の短刀の元気な声が聞こえてくる。
ここぞとばかりに体をめいっぱい動かす短刀達は、とても楽しそうだ。
その様子を縁側に座って見ていると、
私の後ろに立って私を見下ろす保護者が一振り・・・。
『・・・・・・私を恨んでいますか、
一期さん・・・。』
一期「・・・」
一期さんは何も言わないまま、私の横に立って外を眺める。
少しの沈黙の後、一期さんが口を開く。
一期「・・・・・・貴方は・・・一体何がしたいんですか。」
何が、とは・・・?
私に質問する時には、もう少し具体的に聞いて欲しいものだ。
『・・・別に・・・・・・
・・・私は皆さんの望みを叶えたまでです。』
一期「・・・望み・・・?」
『・・・ええ。
・・・「ボク達が元気になったら、いち兄も手入れをさせてくれるんじゃないかと思って」って・・・
私の所に頼みに来たんです。』
乱が言っていたことをそのまま言うと、一期さんは少し目を見開いた。
『・・・私に意地を張るのは結構ですが・・・・・・
・・・ちゃんと弟さんの話も聞いてあげて下さい。』
一期「・・・意地って・・・」
『・・・一期さんが考えている以上に、薬研達は一期さんのことを思っています。』
私は立ち上がって一期さんに背を向ける。
一期「・・・」
一期さんは無言で私の背中を見つめていた。
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よぺ(プロフ) - 慧さん» なるほど!他の方のご意見も参考にしたいので、もう少々お待ちくださいね。私は最近の新しい刀剣をあまり知らないので、勉強してきます!(笑)。貴重なご意見とコメントありがとうございます! (2020年4月19日 7時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - 最近の刀剣も出して欲しいです!伯仲の絡みとか、にゃんぜんとちょもさんとか好きなのでw続編も楽しみにしてます! (2020年4月18日 22時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 鶴難さん» コメントありがとうございます。なるほど、確かにちょっと度が過ぎているものがありますね・・・。もっと考えるべきでした。これからのお話の参考にさせていただきますね!ありがとうございますm(__)m (2020年4月16日 22時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鶴難 - 夢主ちゃんは戦場では野性的過ぎて「戦場はサバイバルですから」と言ってもおかしくなく見えてきてしまった...まぁ、そこも魅力的なんだけどさぁ...みんなが後々苦労しそうだなぁ...。 (2020年4月16日 17時) (レス) id: 0c71642d46 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 霞さん» おわぁ、なんて嬉しいお言葉・・・!(*ノД`*)・゚・。私も自分で書いてる癖に、早くハッピー本丸のお話が書きたくてうずうずしてます(笑)。まだまだ頑張ります、コメントありがとうございました! (2020年4月13日 16時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よぺ | 作成日時:2020年4月1日 17時