第419話 夕飯はクマに決定！ ページ9
そんなこんなで辿り着いたのは、ダダンの家から徒歩十分。
木々の生い茂る薄暗い森の中では、数少ない日光の差し込む拓けた場所。
「だりゃっ！」
「うおっ！？」
威勢の良い掛け声と共に、少女は六つも離れた少年の体を地面に叩きつけた。
「い、一本背負い・・・！！」
思わず、と言った風に言葉を漏らすサボ。
それほどまでに、Aがエースに仕掛けた一本背負いは、それはそれは綺麗に決まっていたのだ。
「へぇ・・・！やるじゃねェか」
すぐさま跳ね起きると、エースは好戦的な笑みをひらめかせた。
それを受けて、Aもまた幼いながらも楽しそうに口角を上げた。
「だから言っただろっ？兄貴よりつえーって！」
だが、その発言が気に入らなかった者がここに一人。何を隠そうルフィである。
「何をーっ！？」
「なにさーっ！！」
大きなくりくりの黒い瞳を吊り上げて、弟妹達は額を突き合せる。
「どうどう、落ち着け落ち着け！」
これで何度目だよ、エースとルフィも止めなきゃなんねェのに、Aとルフィまで・・・！！
兄妹達の喧嘩に人知れず胃を痛める、そんな10歳児の明日はどっちだ。
そうこうして、Aとエースの組手も決着がつく。
拾い物の板で作ったお手製の得点ボードに、サボが試合結果を書き込んでいく。
「えーと、ルフィがおれとエースとAに50敗ずつ、Aとおれは25対25で引き分け。
おれとエースが24対26、Aとエースが26対24」
「こーすると、Aはおれと勝率は同じか」
ざっと計算し、幼いながらも己と同率の勝敗であると知る。
少しばかり、エースの負けず嫌いにも火が点いた。
「くっそー！明日こそ！！おれが勝つ！！」
ルフィはルフィで、年上の兄達と年下の妹に対抗心を燃やしに燃やしていた。
「いやでも、マジでAは強ェんだなァ」
「にっししし！」
ルフィと同じ笑い声を上げて、Aは小っ恥ずかしそうにはにかんだ。
「よっし！そんじゃあ夕飯の調達行くか！」
サボの一声に、四兄弟の脳内は夕食のことでいっぱいになる。
「昨日は猪だったしな・・・熊とか鹿とかどーだ？」
「どっちも美味そー！」
エースの挙げた獣に、ルフィはもう涎を垂らして腹の虫を鳴らす。
「なら今日はクマにするか？」
「がんばって作るぜー！」
元気良く上がった妹の声に、そりゃ楽しみだなと、兄達は夕餉の期待で胸を膨らませた。
第420話 主食は肉→←第418話 150戦、つまり三で割れば丁度良い
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師走(プロフ) - 平野澪さん» 先日に引き続きありがとうございます……！！少し更新ペースは遅くなりますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！！ (2022年6月8日 14時) (
レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - ほんとに面白い！！ずっと応援しています！頑張ってください！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page30 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます！！大好きと言っていただけて、とても光栄です……！！ (2022年6月3日 7時) (レス) id: bdf3575371 (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！大好き♡ (2022年6月3日 0時) (レス) @page28 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 団方さん» 今回も本当に長い間開けてしまい申し訳ありません……！本当にお待たせしてしまいますが、絶対に途中で失踪などはしませんし、完結させますので、よろしければ読んでいただけると幸いです……！乾燥ありがとうございます！励みになります！！ (2021年10月10日 15時) (レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年10月26日 19時
