第415話 居候少女の朝は早い ページ5
そうして始まった、山賊ダダン一家の元での住み込み暮らし1日目。
「ふぁ・・・」
欠伸を噛み殺し、まだ日が昇っていないせいで薄暗い部屋の中、3歳の少女は自分の布団を片付け始める。
勿論、同じ部屋で寝ている兄達を起こさないように、物音を立てないよう慎重に。
布団の境目など知ったことではないと言わんばかりに、三人の兄達は足を放り出して腕を広げ、腹を出して寝っ転がっていた。
一応それぞれの腹に掛け布団だけ被せてから、無造作に投げ出された手足を踏まないように気を付けて部屋を出る。
通りがかりに覗き込んだ部屋では、この家の同居人である山賊達が高いびきをかいていた。まだまだ夢の中らしい。
色々都合もあるだろうし、起こした方が良いだろうか。
一度はそう考えたものの、よくよく思い出せば何時に起こせとも、そもそも起こせとも言われていないことを思い出した。
よし。とりあえず放置。
気を取り直し、狭くはないが広くもない台所に向かう。
昨日兄達が獲ってきたイノシシの残りの肉で朝飯を作る為だ。
「・・・ぐぬ」
だがしかし、ここで一つ問題が発生した。
肉は昨日のうちに保存処理をしておいたのでなんら問題はない。ないのだが。
「と、とどかかねェ・・・！！」
肉の置き場所は保存棚の上。いくら頑張って手を伸ばしても、爪先立ちになって限界まで背伸びしてみても、肉塊は指先に掠りもしない。
目の前にあると分かっているのに手に入らない。しかも取れない原因は自分の背丈だ。
これほど悔しいものはない！！
「ぐぬぬぬぬ」
何か足の踏み場に出来そうな台でもないかと辺りを見渡しても、あるのはビール瓶を纏めて入れておくための箱だけ。
これでは乗っても結局届かないことくらいは分かる。
椅子でもあればいいのだが、いかんせん山賊の家にはそんな物は無い。
飯はゴザや円座の上で囲炉裏を囲って食べるし、そもそも机はダダンの部屋にある文机しかない。
ここでの生活には、椅子が必要ないのだ。
「・・・しかたねェ」
こうなれば『奥の手』だ。せんせーも、これは村の皆にもバレているのならと許してくれた。
「『ゴムゴム』」
超人系、全身がゴムの性質になる悪魔の実の能力を発動させる。
「よっし！」
散々超人系の練習の為に使い倒した能力だ。今では一番扱いに慣れているといっても過言ではない。
「よいしょっ」
文字通り腕を伸ばし、難なく食材を手元に持ってくる。
第416話 朝から鍋で元気百倍→←第414話 イノシシ解体ショー
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師走(プロフ) - 平野澪さん» 先日に引き続きありがとうございます……！！少し更新ペースは遅くなりますが、気長にお待ちいただけると幸いです……！！ (2022年6月8日 14時) (
レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - ほんとに面白い！！ずっと応援しています！頑張ってください！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page30 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 平野澪さん» コメントありがとうございます！！大好きと言っていただけて、とても光栄です……！！ (2022年6月3日 7時) (レス) id: bdf3575371 (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！大好き♡ (2022年6月3日 0時) (レス) @page28 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
師走(プロフ) - 団方さん» 今回も本当に長い間開けてしまい申し訳ありません……！本当にお待たせしてしまいますが、絶対に途中で失踪などはしませんし、完結させますので、よろしければ読んでいただけると幸いです……！乾燥ありがとうございます！励みになります！！ (2021年10月10日 15時) (レス) id: 5000983d6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっすん | 作成日時：2018年10月26日 19時
