【MHA】片割れたオレンジ (ページ6)

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寝る時は絶対に一緒。

それは聞くまでもなかったからどっちの部屋で寝ようか考える。

多分焦凍は畳に敷いた布団で寝たいかなぁなんて考えていたら、意外にも俺の部屋のベッドで寝たいと言った。

珍しいな、なんて思いながら寝る支度をする。

数分もしないうちに寝間着姿で部屋に入ってきた焦凍は、さっきまでは眠そうだったのに今は目が覚めているようだった。

｢あれ、焦凍目ぇ覚めちゃった？｣
｢ああ。Aは眠そうだな｣
｢ふわぁ……だっていつもならもう寝てる時間だし｣

ベッドで座って待ってた俺の隣に座ると、猫みたいに擦り寄ってくる焦凍。
頭を撫でてやると気持ちよさそうな顔をするのが最高にかわいい。

……こうやって甘えてくる可愛い焦凍が見れなくなる日が、来るのかなぁ。

いつか来てしまうかもしれない最高に最悪な瞬間をふと考えてしまう。

焦凍は優秀だ、ものすごく立派なヒーローになるだろうから、いつかきっと綺麗な人と結婚して、その奥さんと可愛いこどもに囲まれて、素敵で幸せな家庭を築くんだろう。

焦凍、昔からモテるし。今はまだ興味無さげだけど、そのうち焦凍が惚れる相手が現れるかもしれない。

その時、俺はちゃんと笑って、心から焦凍を祝福してやれるだろうか。

視界に映る綺麗な紅白
俺を見つめる透き通るようなオッドアイ

……だめだ、今はまだできない。

｢…………｣

いや、もしかしたら一生できないかもな……

大好きな大好きな俺の自慢の片割れ。

誰にも、渡したくないなぁ。