【MHA】片割れたオレンジ (ページ3)

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雄英高校に入学した。

学校は一緒でも、クラスは別々にされる可能性がかなり高い。

でも、でも……高校だったら、ワンチャンあるかもしれない。

……なんて言いつつもどうせダメだろうなぁと、ほぼ諦めかけているのだけど。

焦凍も同じ心境なのだろう、見送ってくれた姉さんに｢あんた達同じ顔してるよ｣って言われる始末だった。

｢A！！｣
｢焦凍！！｣

ところがなんという奇跡、俺たちはめでたく同じクラスになった。

初めてクラスが一緒になった喜びで、人前ということも忘れて俺たちは抱きしめあっていた。

それからは目まぐるしい日々を送り続けていたけど、ずっと焦凍と一緒にいられたから楽しかった。

……とはいえ楽しい事ばかりではない。

いろんな事件があった。明日はもう無いのかもしれないと感じたことさえ沢山あったけど……

2人で、引いてはクラスのみんなで乗り切った。

お互いぐんと成長しているのがよくわかって、さすがヒーロー科だなって思ったのは記憶に新しい。

｢A、｣
｢うん｣

授業が終わった昼休み。食堂へ行こうと焦凍が俺に声をかけ、それに応じる。
それを見ていた瀬呂くんや上鳴くんが茶化すように声を上げた。

｢今日も双子は絶好調だな｣
｢2人揃って蕎麦食べるんだろ？｣
｢いや、今日は蕎麦駄目なんだよね｣
｢だから今日はオムライスだ｣
｢姉さんにいい加減蕎麦以外も食えって言われてさぁ｣
｢毎日蕎麦でいいのに……｣
｢ほんとな〜｣
｢いや良くねぇよ｣

なんとなく流れで食堂まで一緒に来た上鳴くんと瀬呂くんと一緒に列に並ぶ。

今日も食堂は平和で、生徒達で賑わっていた。

ああ、ざる蕎麦持ってる人いる、俺も食べたいなぁ。
隣を見れば焦凍も俺と同じように同じように蕎麦を見つめていた。