淳太くんの彼女 【黄】

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淳太side






またや、

またあの男







誰やねん、

Aの何やねん






桐「淳太くんいける、？」

中「…無理、」







きっとほんまに今ひどい顔してるんやろな

照史が珍しくちょっと焦ってて







けどもう２回目。

しかも今日予定があるってあの男と会うってことやったんやろ？







中「なんでなん、」







この間嘘つかれたこと

俺よりあの男を優先したこと







全てがもう信じられへんくて

その日の晩、

『淳太くん、電話できる？』

そうAから連絡きたけど







中「…そんなん、」







この気持ちの整理できてない今の状態で電話なんかしたら

何言ってしまうかわからへんから、








だから既読もつけずにとりあえず放置した。







.








嫌なことがあっても今日も仕事。

メンバーとの仕事は楽しくてめっちゃ笑うけど

ふとしたときにAがチラついて

なかなか集中できひん一日やった。







本人から確かめるべきなんやろうけど

今の俺にはまだ無理やな…、







中「おつかれー、」







楽屋を出て帰路をトボトボ歩く。







はあ、今日の晩御飯なにしよ

またカップ麺かなー







報道のこともあってもう結構長いことAのご飯を食べてない俺は

前みたいに不摂生な食事に戻ってしまって







Aのご飯、食べたいな






なんて思ってみても

帰ってもAはおらへんし

この状態じゃ呼ぶこともできひんし







中「はあ、」







帰ったらAがおったらいいのに

おかえり

って言ってくれへんかな







そんな叶うわけもないことを思いながら歩き続けて

家が見えてきたころ







中「…ん、？」







俺の家のところからだれか出てきて







中「A…？」







一目見てわかった。

そしたらAもこっちを向いて







「淳太くんっ…」








涙を流しながら俺にしがみついて







「会いたかった…、」






ギュッと抱きついてきて

俺も思わず抱きしめ返そうと腕を伸ばしたけど







この間の抱きしめられてた光景がフラッシュバックして

この役目は俺じゃなくてもいいんじゃないん、








そう、思ってしまって








中「中入ろ、」








そう腕を引いて半ば強引に家に入れた。



.

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