赤い糸4 ページ4
「焼肉行かない？」
「お店の準備あるから、また今度行きましょう？」
「じゃあ割引券せっかくもらったから、私一人で行くね」
お母さんの許可を取って、薄暗くなった空を見上げながら商店街近くを歩いていく。
お店の光と街灯が眩しく光って、何より……周囲の音が耳障りだ。
「(イヤホンしよう……)」
耳にイヤホンを入れてミュージックプレーヤーの電源を切る。多分、私は音に敏感なんだと思う。
周囲の話し声もテレビもラジオも私には苦痛に感じられてしまう。
イヤホンを外して、焼肉屋さんに入る。外とは比べ物にならないくらい賑やかだけど何故か店内は大丈夫。
「二名様ですか？」
「え……一人で」
「A？」
後ろから聞こえた聞き慣れた声に反応して、咄嗟に振り向く。
「さ、さっきぶりです。霊幻さん」
「奇遇だな。まぁ近所の焼肉屋って言えばここだしな」
「お一人ですか？」
「悪いか？……てかお前も一人なの？」
「はい。両親がお店の準備があるって言うので」
そう答えると霊幻さんは少し考えてじゃあ、と声を発した。
「じゃあ一緒に食うか」
「！はい、よろしければ」
「すみません、二人です」
店員さんに話しかける霊幻さんに気付かれないように、やった、と小声で喜ぶ。
こんな風に二人で食事はしたことなかったから、新鮮で緊張が入り混じる。
「にしても一人で焼肉来るなんて、高校生にしてはだいぶ勇気ある行動だな」
「そう、なんですか？私は普通だと思いますけど」
「少なくとも普通の女子高生は一人で焼肉なんて行かないだろう」
「私は……普通とは違うんでしょうか？」
昔から、少し人とズレているような気はしていた。合わせるために努力もしたけれど話題がコロコロ変わって付いていくことはできなかった。
それからかもしれない。
周囲の音に過敏に反応してしまうようになったのは。
「お前は雑だし、色々抜けてるしな」
「ひ、酷い……」
結構気にしているのに、そんなにハッキリ言われてしまうとさすがに私でも傷付く。
「でもまぁ、周囲に合わせてたら個性が消えるからな。お前はお前だ、大事にしろ」
「……はい。じゃあそうします」
やっぱり、この人の言葉は暖かみがあって安心する。でも私は普通でいたい。普通でないと……霊幻さんに振り向いてもらえない。
「お肉、頼んでいいですか？」
「じゃあこのコースな」
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さくら餅(プロフ) - 抹茶さん» ありがたいお言葉頂けて光栄です！！もどかしい時間が長かった分、きっと未来では二人で幸せに暮らしてます！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - とっっっっても面白かったです！！未来の2人が幸せに暮らしているところが自然と思い浮かびます！ (2019年9月2日 19時) (レス) id: b5b208b71b (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます。嬉しいです！応援は執筆の力になりますので頑張ります( ´∀｀) (2019年5月2日 15時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - この作品もお話とっても素敵です！作者様の事陰ながら応援しています！体調に気をつけて無理をなさらずに更新頑張ってください！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら餅 | 作成日時：2019年5月2日 12時
