赤い糸16 ページ16
「モブくん、来ませんでしたね」
それから事務所でだらだらと過ごしていたけれど、モブくんは来なかった。
忙しいんだろうし、仕方ないだろう。
「ったく……今日はマジなやつがなかったから良いが無断欠勤とはな」
「モブくんにだって都合がありますから、許してあげてください」
毎日時給三百円で働かされてモブくんの方が何気に可哀想だ。
「ま、今回は見逃してやるか」
「そんなに自己中心的だとほんっとーに見捨てられますよ」
「人助けは自己中に入らないだろ」
「人助けは良いですけど、そのために自分の予定を断ってまで来てくれたのに文句をいうのは良くない、ってことです」
霊幻さんの都合で呼んでおいて文句を言われるのは、気分はよくないだろうから。
中学生は、一番気持ちが揺らぐ時なんだから気を付けて接しないとスパッと縁を切られる。
モブくんは霊幻さんを尊敬してるから、そんなことは多分ないだろうけど……忠告はしておいた方が良い。
「……じゃあ私、これからバイトがあるので帰りますね」
「お前バイトしてんの？」
「はい。家の手伝いとは別にファミレスのバイトを」
「バッカ、お前！接客業はクレーマーやらナンパやら理不尽な客が多いだろうが！危なくて女子高生のするバイトじゃないだろ」
そんなこと言われてもなぁ……。家はお花屋さんだし、接客業と変わりないと思うんだけど。
確かに両親には夜中までのシフトだから、危ないって止められたけど友達もそこでバイトしてるし、帰り道は一緒で危険じゃないから大丈夫だと思う。
霊幻さん、過保護だな。これは……ちょっと、本当に本の少しだけ嬉しい気もする。
「そんなにバイトすんなら、ここでバイトしたらどうだ？」
「さすがに時給三百円は嫌ですね……」
「……四百円は？」
「百円しか変わってない……！」
「ここなら、変な客からお前を守ってやることもできるし仕事内容も楽でホワイトだぞ？」
「時給三百円はブラックです！」
四百円だろ、ってツッコミに同じです！、と返す。
「だー！もう分かってねえな！！」
「何がですか！」
「仕方ないな。どうしてもバイトすると言い張るなら……」
急に霊幻さんが真剣な表情になる。高速な切り替えに付いていけない。思わず怯んでしまう。
「言い張るなら？」
「シフト終わる時間教えろ。バイト終わったら家まで送ってやる」
「なっ……！？ちょ、待って……待ってください」
思考があまりに追い付かない。
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さくら餅(プロフ) - 抹茶さん» ありがたいお言葉頂けて光栄です！！もどかしい時間が長かった分、きっと未来では二人で幸せに暮らしてます！ (2019年9月2日 19時) (
レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - とっっっっても面白かったです！！未来の2人が幸せに暮らしているところが自然と思い浮かびます！ (2019年9月2日 19時) (レス) id: b5b208b71b (このIDを非表示/違反報告)
さくら餅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» コメントありがとうございます。嬉しいです！応援は執筆の力になりますので頑張ります( ´∀｀) (2019年5月2日 15時) (レス) id: d6eb335a4b (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - この作品もお話とっても素敵です！作者様の事陰ながら応援しています！体調に気をつけて無理をなさらずに更新頑張ってください！ (2019年5月2日 15時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら餅 | 作成日時：2019年5月2日 12時
