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17.ふと出た言葉 ページ19

目を開けたら僕の部屋だった。

横にはマルフィが椅子に座り、足を組み、帽子で顔を隠しながら寝ていた。

その姿は男の僕でもカッコイイと思ってしまう程だ。

でも、なんで僕は部屋にいるんだろうか。

さっきまでホールにいて、急に体が熱くなって…

そこからの記憶が無い。

もしかして、誰が怪我をしたんじゃないか?

もし、僕のせいで怪我人が居たら、僕はもうここには居られなくなる。

仲間を傷つけるのはあいつらと一緒だ。

僕は、あいつらじゃない。

あいつらのようにはならない。

『……死 にたい…』

マルフィを起こさない程度の小さな声で呟やいた。

コウモリの超音波はコウモリだけにしか聞こえない。

マルフィには聞こえないだろう。

M.F「聞こえないとでも思うかい?」

『えっ?』

嘘だ。

マルフィは元は鴉。

コウモリである僕の超音波は聞こえないはずだ。

M.F「今の言葉の意味を、聞かせてもらおうか?A」

『えっと、マルフィ……起きてたんだね…あれは、その…本気で思ってないよ……』

マルフィの目を見れない。

明らかに怒っているのは確かだ。

マルフィとの会話は楽しいが、今回は全く楽しくなかった。

『ごめん、なさい……ごめんなさい…もう、言わないから…殴らないで……捨てないで…』

マルフィは少し固まり、右手を上げた時僕の体はビクッと動いた。

でも、いつまで経っても痛みは来なかった。

M.F「君の嫌なことはしない。絶対にね」

マルフィは優しく僕の頭を撫でていた。

M.F「本気で思ってない事くらい分かっていたさ。ただ、それでもその言葉を聞くのはやはりかんに触ってしまう」

『ごめん……』

M.F「私こそ、怖がらせてしまってすまない」

マルフィは悲しい表情をして言った。

M.F「明日のリクルーティングはジャックに代わってもらったほうがいいね」

『え…なんで?』

M.F「一度、マスターの元に帰った方がいい。大丈夫、私もついて行くよ」

『それはいいけど…どうして?』

M.F「簡単に言うと君の魔力が暴走してしまったんだ」

『暴走?』

M.F「大丈夫、君にやられる程私達はヤワじゃないさ」

そりゃそうだ。

僕はヴィランズになったばかりだもの。

M.F「その魔力の制御する為に鍛錬も兼ねて、君のマスターにも起きてしまった出来事の報告だ」

そういうことで、僕は明日リクルーティングを休んでヴラド様の元へ行くことになった。

18.リミッター→←16.暴走のわけ



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はるまき(プロフ) - 続きが気になる... 更新待ってます! (2022年9月29日 0時) (レス) @page25 id: 7c9c8aed08 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - 前作とキャラのギャップに驚いております。環境の変化って凄いですね…続き楽しみにしてます! (2019年2月19日 17時) (レス) id: 377aae7433 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒崎真琴 | 作成日時:2019年1月26日 18時

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