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、
昼休みになった。
少しソワソワしている気持ちはあるものの
大智なら待たせてもいいだろうと
軽くお弁当を食べてから屋上に向かうことにした
『音ちゃん、なんか大智が用事あるみたいだから
ちょっと行ってくるね?』
音「泉が?珍しいねー。
んー あたしは勉強しとくから気にせずに
行ってらっしゃーい」
…やっぱり音ちゃんも
大智からの呼び出しには
少し不思議そうにしていたけど
もしかしたら教室では話せない
相談事があるのかもしれない。
そう思い込むことにして屋上へと足を運んだ。
少し重たいドアを開けると
「…おそいよ、Aちゃん。」
待っていたのは 少しの期待をしていた通り
大智ではなく北村くんだった。
『えっと…ごめん、ね?
あの、大智は…?』
匠「気付いてるくせにー。
俺からの呼び出しだよ」
『…なんで?』
匠「んー、なんでって言われてもねー。」
匠「教室で話しかけたらみんなめちゃくちゃ見てくるじゃん。俺がちょっとAちゃんに話しかけただけで騒がれんのとかめんどくさいでしょ?」
匠「さっきだってみんな見てたし。
だから大智の名前ちょっと借りちゃった〜」
…確かに。ほかの男の子なら
机に伏せている女の子にしんどいのかって
声をかけているだけであんなに注目されることなんて、多分ない。
でも、北村くんだと、ほんと小さなことでも
女の子と関わってこなかった彼だから
みんなが注目して見てきていた。
注目されないように、という理由は分かったけど
…でもなんで?
匠「あは まだ納得いってなさそー」
『…なにか用事あった?』
匠「んーん。ないよ?」
『へ?じゃあ、なんで?』
匠「Aちゃんとゆったり過ごしたかったから
呼び出した。それが理由じゃだめ?」
この人は真顔でなんてことを言うんだ…
やっぱり屋上の北村くんは教室での
クールな北村くんと全然ちがう。
なんていうか、すごくチャラい!
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作者名:なっぴぃ | 作成日時:2018年3月8日 21時