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しおりside
仕事中、メッセージを受信して光った携帯
どうせまたAからの飲みの誘いだろうと
パソコンを打ちながら横目でそれを見る
『、っえ…』
表示されている予想外の名前に
思わず変な声が漏れる
どうしたんすか、って怪訝な顔で見てくる後輩に
慌てて何でもないと首を振る
とりあえず、集中しようと
目の前のパソコンに視線を戻すけれど
集中できるはずもなく、携帯を握りしめ休憩室に駆け込んだ
備え付けの椅子に腰をおろし
恐る恐る携帯を開く
そこに表示されている名前は
Aと翔太くんが付き合ってる時に
翔太くんの幼馴染だって紹介された涼太くんからだった
“涼太くん：しおりちゃん、久しぶり。
急にごめんね。少し話したい事あるんだけど時間もらえないかな。“
Aと翔太くん関係であることは
考えなくても分かる
私はどうしたらいい？
せっかくAが前に進もうとしているのに
全部許したって
後悔なんてしないって
そんなのAの強がりなことぐらいすぐに分かるよ
それでも
この5年間をやっと受け入れようとしているA
このメッセージはそんな彼女をまた縛り付けてしまうんじゃないか
それだけが心配なの
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作者名：らいな
| 作成日時：2020年4月2日 22時
