私が思い出すあなたは私を愛しているよ【青】 (ページ3)

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＿＿＿＿＿＿５年前の１月

渡「俺さ、もうお前のこといらねぇわ」

私の家に半同棲していた翔太から突然言われた一言

『…翔太？何かあった？』

渡「何でもない。ただ別にもういいかなって思っただけ」

『言ってくれなきゃ分かんないよ』

ねぇ翔太って言いながら、翔太の腕をつかんだ私の手は冷たく振り払われる

翔太は俯きながらも、なんだかイライラしてる様子

だめだ、泣きそう
でも今泣いたらもっと翔太に嫌われる

だって、こんなところで泣く女の子が一番苦手な彼だから

なんで？って思う気持ちを必死に抑えて
縋りついて引き止めたい衝動を抑えて
なんとか声を振り絞る

『…そっか。私にできる事はある？』

渡「ここにある俺の荷物、いらないから全部捨てといて」

ねぇ、翔太
私が誕生日にあげたネックレスも
ずっと身に着けていたキャップも
俺もうこれしか履かねぇって言ってくれたお気に入りの靴も
全部全部この家にあるんだよ？

本当に全部いらないって言うの？

『っ、分かった。』

渡「じゃ、俺もう行くわ」

一度も振り返らず出ていってしまった彼の後に聞こえるのは無機質なドアの音
しばらく経ってもそのドアが開くことはなかった

『っなんで…』

こらえていた涙が溢れるのは簡単だった

何が正解だった？
いやだ行かないで傍にいてってすがりつけばよかった？
こんな一方的に理由も知らされず別れを告げられて、むしろ一発殴るべきだった？

…そんなことできるはずないのが分かってしまうほど私は翔太を知りすぎた